現在ロシア・モスクワで開催中の第35回モスクワ国際映画祭・GALA(ガーラ) 部門に、邦画の実写映画として史上初の上映作品に選出された映画「少年H」(8月10日公開)。現地時間26日に行われた公式上映では、GALA部門での選出ながら“日本にとって悲劇的な時期に撮影の中で勇気と不屈の精神を実証した”ことを称え、特別作品賞の表彰を受けるなどモスクワでも高い評価を受けています。
上映から一夜明けた、現地時間27日には、公式会見やロシア国営放送のインタビューなどの取材が行われました。

公式会見には、降旗康男監督、松本基弘プロデューサー、伊藤伴雄プロデューサーが出席。参加したマスコミからは会見時間ギリギリまで質問が相次ぐなど作品への関心の高さが伺えました。特に、タイトルロールでもある〝少年H“を演じた吉岡竜輝に関しては、「非常に若いのにとても良い演技をするあの少年を見つけるのは大変だったのでは?」という質問がプロデューサー陣に飛ぶなど、吉岡の演技が高く評価されていました。また映画のラストシーンに関してもその意味を問われ、降旗監督が「戦争の後、廃墟から立ち上がる人々と、震災の後、人々が立ち上がろうというメッセージをこめてあのラストにしました」と答えるなど、作品に対しての深いやりとりが行われました。

また、水谷豊・伊藤蘭・降旗康男監督は、映画祭のプログラム・ディレクターでもあるキリル・ラズロゴフ氏がプロデューサーを務める国営放送(Russia2)のインタビューを受けました。このインタビューでも、「とても素晴らしい“H”を演じた少年との仕事はどうだったか」という質問が飛ぶと、伊藤も「演技の感性が素晴らしく、プロフェッショナルな子でしたが、子どもらしい天真爛漫さも同時に持っていたので、彼の存在を感じるだけで母の役になりきれました」と絶賛。このインタビューは現地時間29日の夜放送予定。
さらに、水谷・伊藤はモスクワ市内での撮影のため、赤の広場、ボリショイ劇場なども観光。水谷は「人や街が受け入れてくれている感じがしますね。映画祭も含めモスクワ滞在は心の財産になります」、伊藤は「モスクワの景色を見ながら、心のシャッターを押しまくっています。」とモスクワ滞在を映画祭だけではなく楽しんでいる様子。

この日行われた一般上映では、全席満席で通路に立ち見があふれるほどの大盛況ぶり!エンドロールでは拍手が起こり、見終わった観客の目からは涙が溢れる場面も多く見受けられ、モスクワの人々にも多くの感動を与える作品となりました。

監督、キャストは、現地時間29日の閉会式にも参加予定。