小泉麻耶主演・戸田幸宏監督デビュー作『暗闇から手をのばせ』(配給:SPOTTED PRODUCTIONS)が、3月23日に公開を迎え、渋谷ユーロスペースにて初日舞台挨拶が行われました。

●日時:3 月23 日(土) 22:20〜
●場所:渋谷ユーロスペース(渋谷区円山町1­5 KINOHAUS 3 階)
●登壇:小泉麻耶、津田寛治、森山晶之、菅勇毅、ホーキング青山、戸田幸宏監督

本作のヒロインとなるデリヘル嬢・沙織役を演じた小泉麻耶さんは「ちょうど事務所移籍の時期だったこともあり、この作品への出演依頼が、監督から直接私のブログに来て驚きました。心の変化が難しい役だったので、監督の会社にまで乗り込んでいろいろ聞かせてもらい、そのおかげで演じきることができました。この映画に出られたことも、たくさんの人に来てもらったことも本当に嬉しいし感謝しています」と挨拶。風俗店の店長・津田役を演じた津田寛治さんは「たくさんの人に来て頂いて、現実感がないくらい嬉しい。出演者の芝居が活き活きしていて素晴らしく、大好きな映画になりました」と挨拶。また“津田”の役名は元々脚本に書いてあり、津田さんが決まったのはその後だったとの裏話を監督が語る一幕も。沙織と心を通わせる健司役の森山晶之さんは「普段はミュージカルなどの舞台が中心で映画は初めて。どうなるか緊張してパニック状態でした」と撮影時を振り返った。さらに普段の生活でも車椅子で過ごしたことを明かし、その大変さを実感したと語った。筋ジストロフィー患者の水谷役を演じた管勇毅さんは「全身刺青の入った役だったのですが、かぶれてしまったのが一番苦労しました」とエピソードを披露。自らの障害をネタに本番を要求する常連客・中嶋役を演じたホーキング青山さんは、「障害者がいっぱい出てきますが本物は私だけです。存在感があるなどと褒められますが、私は演技しておらず素でやってるだけです」と語って笑いを誘った。また青山さんが北野武監督作品『Dolls』に出演していたことから、監督が青山さんに出演交渉したところ「北野武クラスの作品じゃないと出ない」と言われたと明かすと、「それは違う。監督が『NHKの番組出演とバーターで出してやる』って言ったから受けたんだ」と話して、またもや会場は笑いに包まれた。NHK番組のディレクターなどを務めるものの本作が初監督作となる戸田監督は「場内に入れないほどの方がいらっしゃったとのことでとても嬉しく思っています。今日もたくさんの映画が公開になっているが、これが一番面白いはずです」と胸を張った。『暗闇から手をのばせ』は障害者専門の風俗嬢となった沙織を通して描かれる絶望と希望の物語。約30 人の立見が出るほどの大盛況となった。