2012年の日本映画界を代表する映画となった本作は、北朝鮮への帰国事業で北朝鮮へ「帰国」した兄が、25年ぶりに日本に戻り妹と再会を果たす7日間を描いており、監督自身の経験が基になっている。国境を越え信条を越え、最後に残るものは、目に見えないけれど太く強い家族の絆。すべての人が共感できる感動作。
第86回キネマ旬報ベスト・テン 日本映画ベスト・テン第1位、主演女優賞(安藤サクラ)、第55回ブルーリボン賞作品賞、主演女優賞(安藤サクラ)、助演男優賞(井浦新)、毎日映画コンクール脚本賞など数多くの映画賞を受賞、また、第62回ベルリン国際映画祭C.I.C.A.E.賞受賞するなど国内外で絶賛された。また安藤サクラさんは第10回文化庁芸術選奨映画部門新人賞受賞も決定した。

【日  時】 
3月15日(金) 19:20〜20分間
【場  所】 
角川シネマ新宿 シネマ2
【登壇者】 
ヤン・ヨンヒ監督、安藤サクラ

ヤン監督
公開から長い時間がたっているのに、いまだに上映が続いている事が本当にうれしい。
公開前の8月にポスターとチラシを持ってゴールデン街のお店を一軒一軒すがるような気持ちで回ったことが嘘みたい。

安藤
公開から時間がたっているが、この作品は私の中でなつかしいものになるのではなく、ずっと横にいる感じがする。監督はこの作品を今も広め続けていて、作品は進化を続けている。私は一生見守っていたい。この作品に出会えて本当によかった。
受賞の感想
安藤
キネマ旬報の表彰式では、自分の受賞は平気でも監督の受賞の様子をみていると泣いてしまった。

撮影時の様子
ヤン監督
人生で一番濃い2週間だった。興奮、緊張、不安。今思い出そうとしてもうまく思い出せない。記憶が飛んでしまうくらいテンションが高かった。

安藤
撮影現場では、大切なものを生み出すために、一緒に動く特別な関係性を気付くことができた。

DVD&BD特典映像について
ヤン監督
行間を読むよりも、心で感じてほしい。見れば見るほど味わいのある映画。特典映像のインタビューはみんなが興奮の絶頂にいた撮影中に現場で収録されている。ベルリン映画祭での模様、Q&Aもみどころのひとつ。

作品について
ヤン監督
劇映画としては一本目、ドキュメンタリーとしては3本目、この作品でようやく居場所が見つかった。生きていく場所を探してきたが、今回「映画をつくる」という場所を見つけることができた。映画を作ることで北朝鮮にいる本当の家族には会えなくなったが、今回出会うことができたキャスト・スタッフに恥じないよう、ヤン・ヨンヒらしい映画をつくっていきたいと思う。
安藤
一緒に、一生作品を見守って、支えてほしい。私もこの作品をこれからも見つめ続けていきたい。