10月20日(土)の公開の園子温監督最新作『希望の国』が、宮城県気仙沼市にて開催された三陸映画祭(主催 三陸映画祭in 気仙沼 実行委員会)にて、クロージング上映されました。

●三陸映画祭とは
市内の既存のホールに加え、被災した建物を劇場として使用。大小合わせて10以上の劇場を気仙沼市に出現させるという手作りの映画祭です。

●『希望の国』を公開前異例の無料公開!
今回は、三陸映画祭の趣旨に賛同し、公開前の映画としては異例の無料上映を行いました。
先日トロント国際映画祭にて最優秀アジア映画賞を受賞し、日本映画で唯一の快挙を果たした園監督が本作のロケ地でもある気仙沼に感謝の気持ちを込めて凱旋上陸し、映画祭のクロージング作品としてジャパンプレミア上映しました。

◆三陸映画祭 『希望の国』 ジャパンプレミア上映
10月7日(日) 気仙沼市民会館にて
18:00〜 『希望の国』上映   20:15〜 ティーチイン  園子温監督登壇

当日の朝まで釜山国際映画祭に参加し、その足で気仙沼へと駆けつけた園監督は、およそ400名の観客に拍手で迎えられました。観客の中にはロケ地として選ばれ撮影された気仙沼の街並み、海岸、商店街に、普段から馴染みのある方も多くいらっしゃった様子。Q&Aでは「結末にはどういう意図があるのか」「『希望の国』というタイトルにしたのはなぜか」「何度も出てくる“一歩、一歩”というセリフに込められた想いは」など、園監督へ次々と質問が寄せられ、終了後にもロビーで園監督へ直接感想を伝えたいという多くの観客の方に囲まれていました。

●園子温監督の談話
「今日は覚悟を決めてここに立ちました。決して晴れ晴れとした気分ではありません。ですが、上映後にロビーで、あるお母さんから「ずっと怖くてこの辺りは近寄れなかったけれど、今日娘に連れられてこの映画を観られてよかった」と声をかけていただいて、他の人の声はわかりませんが、僕はこの方のこの言葉が聞けただけで上映できてよかったなと思いました。
気仙沼をロケ地に選んだのは、この機会を逃したら永遠にこの風景は消えてしまうだろうなと思い、刻印として刻みつけたかったからです。気仙沼のシネマコミュニティの方々に応援していただき、この映画は出来上がりました。 今日は今年1月の撮影時にみなさんから頂いた“ホヤぼーや”(気仙沼市観光キャラクター)ジャンパーを着てきました。このジャンパーからは暖かさと同時に勇気もいただいて、撮影もはかどったので、とても感謝しています。

三陸映画祭は、世界のどんな映画祭よりも意義のある映画祭だと思います。世界でもこういう映画祭こそが必要とされています。毎年開催されるなら、いつでも自費で駆けつけますので、ぜひまた呼んでください。」