日本サッカーの活躍が注目されたオリンピックの興奮さめやらぬ中、ドイツ・サッカーの起源を題材にした感動作、『コッホ先生と僕らの革命』が9月15日(土)全国ロードショーと、いよいよ公開も迫ってまいりました!
本作は、ドイツ・サッカーの父として今なお語り継がれている人物〈コンラート・コッホ〉の実話を描いた感動作。

2012年、オリンピックイヤーに、サッカー強豪国ドイツの知られざる真実を通じ、夢や希望、そして信念を貫く大切さを教えてくれる、感動の実話です。今、日本でも話題になっている、学校教育やいじめの問題。本作でも生徒間に、近い題材が出てまいりますが、先生がサッカーを教えることによって、チームプレイとフェアプレイの大切さを生徒に伝えようとする姿は、現代の社会問題にも通じる部分があるのではないでしょうか。
本作の公開を記念して、神田外語大学の学生たちが自ら運営する試写会に、教師を目指す学生50名を招待し、実施いたしました。さらに、試写前には現役教師を招いたトークイベントを行い、今の日本の教育の問題点、いじめ問題、などについて学生たちに熱く語っていただきました。

<日時>9月3日(月)   
<場所>シネマート六本木
<登壇者>神田外語大学 クォン・ヨンキョン先生(韓国語教師),クリスティ・ウェルチ先生(英語教師),東京大学教授 水越伸
<出席者>教師をめざす学生50名

【登壇イベント】
Q.本作では19世紀末ドイツの規律と慣習のみを信じる教師や親の教育方針が描かれていますが、現代の日本と海外の教育の違いはあるのでしょうか? 
クォン・ヨンキョン先生:私が中高生の時の韓国は、遅くまで学校で勉強していました。今の日本の子供は塾に行くので学校では勉強しないですね。また、韓国の教育は個人の個性よりも国家・家族の関係をより重要視します。
クリスティ・ウェルチ先生:オーストラリアの教育は自由です。私はつい3か月前まで韓国で教育をしていましたが、韓国は勉強づけで社会勉強をすることがないです。日本はオーストラリアと韓国の間ですね。

Q.本作中では当時あったとされる国籍や階級に対する生徒たちの差別意識も露わにされています。今、日本でも問題となっている「いじめ」についてはどのようにお考えでしょうか?
クリスティ・ウェルチ先生:いじめは世界どこでもあることです。面と向かってあるいじめ、ネットや携帯などでこっそり行われるいじめ…。その中でも私は親が子供を信じてあげない、どういう状況になっているのかを深刻にとらえてあげないということがいじめの助長になっているのではないかと思います。いじめはそれぞれの地域の学校の在り方と非常に結びついているのではと思います。受験勉強が厳しかったり、自由な時間がなかったり、社会との関係性が薄かったりということがいじめにつながっていくのではないでしょうか。

Q.コッホ先生はサッカーを通じて授業の面白さを教え、フェアプレイの精神やチームワークの大切さを生徒たちに教えていきます。生徒をのばす教育はなんだと思いますか?
水越伸先生:先生は神様じゃないんです。分からないこともあります。分からないと生徒に伝えることで、それに対して生徒がこんなことも分からないのかと自ら学ぶ姿勢を持つことも大切だと思います。もちろん、先生が自分で理解をしてそれを伝えることも大切ですよ。日本の教育はドイツから戦前にもたらされました。ですので、時代や国が違いますが、似ているところもあります。本作は将来に向けての希望も描かれているため、鑑賞して教育の在り方を見つめ直すのがいいのではないでしょうか。