窪田将治監督作『僕の中のオトコの娘』が、8月23日〜9月3日でカナダにて開催されました第36回モントリオール世界映画祭の“Focus On World Cinema”部門 に選出され、現地時間8月31日昼より上映が開始、9月1日に放送され21.3%の高視聴率を獲得した土曜プレミアム『踊る大捜査線 THE LAST TV サラリーマン刑事と最後の難事件』、9月7日公開の映画『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』にもレギュラー出演する主演の川野直輝、そして窪田将治監督が上映前の舞台挨拶に登壇しました。2日目、そして最終日となりました本日3日目と連日舞台挨拶を行い、上映前の列も観客数も日毎に増え、二日連続で詰めかけるお客様も。日本での女装文化への興味からか上映後の質疑応答の時間外でも質問の絶えることがありませんでした。今作は窪田将治監督にとって一昨年の『失恋殺人』、去年の『CRAZY-ISM クレイジズム』に続き、なんと3年連続での選出となりますが、窪田監督は「(過去にモントリオールに招待された)僕の作品の中で一番良かったと映画関係者や観客の方々から言われた事が複雑でもあり嬉しくもあり、とても印象に残っている」とコメント。また主演の川野直輝さんは「映画を観た人のリアクションが思っていたよりも良くてとても気持ち良かった。日本での公開前に自信と勇気をもらった」とコメント。海外からの熱烈な歓迎ぶりに万感の思いだった、とのことでした。

同作は、社会に馴染めず引きこもりになった男の子が女装に出会い社会復帰するという世界初の女装娘青春映画。会場となったクォルティエ・ラテン・シネマには上映前から数十名の観客が列をなし、二人を温かな拍手で迎え入れた。登壇した川野は「この映画で、僕はなんと、女装を体験しています。悪くない気分でした。」と、この日のために練習したフランス語での挨拶を交えながら場内の笑いを誘った。窪田監督は「僕にとってこのモントリオール世界映画祭は3度目となり、また今年もこの場で上映されることを非常に嬉しく幸せに感じています。」と挨拶。日本での女装文化への興味からか上映後の質疑応答の時間外でも質問の絶えることがなく、観客から握手を求められ談笑するなど、確かな手ごたえを掴んでいる様子だった。『僕の中のオトコの娘』は初冬銀座シネパトスほか全国順次ロードショー。

≪以下コメント全文≫

【主演:川野直輝】
こんにちは足立謙介役の川野直輝です。本日は御来場ありがとうございます。この映画で、僕はなんと、女装を体験しています。悪くない気分でした。また、つまらないと思っている人生にも、何か楽しむ道が各々用意されている。そんな事を感じました。この映画の撮影期間は大変短いものでしたが、監督をはじめ、キャスト、スタッフの沢山の情熱が詰まった作品です。じっくりご鑑賞頂けますと嬉しいです。
本日は、ありがとうございました。

【監督:窪田将治】
本日は「僕の中のオトコの娘」を観に来ていただきましてありがとうございます。
僕にとってこのモントリオール世界映画祭は3度目となり、第二の故郷の様に感じています。また今年もこの場で上映されることを非常に嬉しく幸せに感じています。
この映画は女装と言う今、日本でポピュラーになりつつある文化が舞台です。日本だけでなく世界的に見てもそうだと思いますが女装をすると言うことは、非常に稀で大手を振って生きるには非常に難しい事柄でもあります。
この映画の主人公は女装に芽生えることで自分の居場所を見つけますが非常に困難を強いられます。しかしそんな生きづらい世界でも主人公は必死に生きようと努力します。

日本映画界もまた世界の映画界と比べると非常に文化芸術意識が低く映画監督として生きるのは非常に生きづらい世界です。形、世界は違がえど、この映画の主人公は僕自身でもあります。
この作品で自分に正直に生きる難しさや一歩踏み出す勇気を感じてもらえれば嬉しく思います。女装という文化を題材にした映画が皆様にどのように受け止められるか非常に楽しみです。どうぞお楽しみください。