高倉健が、盟友・降旗康男監督と10年ぶりにタッグを組み、6年ぶりに主演する映画『あなたへ』(8月25日公開)がついに完成し、公開に先立って、本日8月16日に映画のメインロケ地である長崎県・平戸市にて、市民を招いての上映会と舞台挨拶が行われました。

富山刑務所の指導技官が、愛した亡き妻の生前の真意を知るために妻の故郷である長崎県・薄香港へキャンピングカーで旅をするストーリーに沿って、主演・高倉健は富山を皮切りに岐阜県、兵庫県、福岡県、長崎県にてロケ撮影を行いました。旅の目的地でもある、平戸市・薄香港では10月29日から8日間の撮影が行われ、地元の漁師の方が船を貸し出してくださるなど、地域をあげて映画の撮影へのご協力をいただきました。そうした映画への協力をしてくださった方々260名を含め、300人の市民を平戸文化センターに招待し、高倉健、綾瀬はるか、三浦貴大、降旗康男監督が映画上映後に舞台挨拶を行いました。

この舞台挨拶は、平戸市には映画館がなく、薄香の人は移動に1時間ほどかかる佐世保などに行かないと映画を観ることができないということを知った高倉の「是非、平戸の皆さんに『あなたへ』を観ていただきたい。撮影の時の御礼がしたい」という想いを受けて実現しました。高倉健にとっては、2005年10月22日の東京国際映画祭の「単騎、千里を走る。」ワールドプレミア以来の約7年ぶりの舞台挨拶となります。

舞台挨拶では、高倉健が、「久しぶりにこんなに高いところに立つので、緊張しています。皆さんお久しぶりです。撮影の際はありがとうございました。」と挨拶すると、会場は大歓声に包まれました。綾瀬はるかは「平戸はお魚もおいしいし、お肉もおいしいし感動しました。」と平戸の食をほめ、さらには撮影時にホテルの部屋に高倉が差し入れをしたフルーツとお手紙を、料理長からのものだと思っていて、翌日に高倉からのものだと知りとても慌てたというエピソードを披露し、会場を沸かせました。
絵作り時には、撮影の間に高倉が休憩する場所を提供してくれた木山キミさん(平戸市在住・88歳)の姿を見つけると笑顔で絵作りに参加するよう促し、肩を抱いて撮影に応じるなど、凱旋舞台挨拶ならではの光景が見られました。木山さんは「撮影の初日から何度も家にいらっしゃいました。サインやお菓子などいろいろなものをくださったり、お手紙などをいただいたり…。子どもにも孫にも佐世保まで観に連れて行ってあげると言われていましたが、今回試写会で観られて嬉しいです。佐世保にもまた観に行きます。」ととても感動されていました。

上映会には、木山さんのほか映画撮影時に高倉と触れ合った方々も多く来場しました。舞台挨拶時に高倉が「平戸ではいろいろと散策しました。仲良くなったぼうやの小学校にお邪魔してしまいました。」と話した“ぼうや”こと?川大くん(中学1年生・12歳)と父親で漁師の?川学さん(平戸市在住・43歳)は「撮影時には、高倉さんが大くんの小学校に一緒に来てくれたり、革ジャンをいただいたり本当に夢のようです。今でもお手紙や電話での交流をさせていただいていますが、また会えて嬉しいです。」と高倉との再会に大変喜んでいました。

上映中には、地元の平戸大橋が画面に映ると拍手と歓声が起こるなどの盛り上がりが見られました。
映画「あなたへ」は8月25日(土)より全国東宝系にて公開。

登壇者コメント

高倉健(倉島英二役):久しぶりにこんなに高いところに立つので緊張しています。お久しぶりです。撮影時はありがとうございました。平戸の皆さんには本当に親切にしていただきました。映画の後半を後ろの方でこっそり拝見させていただきました。とても懐かしく感じました。平戸滞在中はよく散歩をさせていただきました。仲良くなったぼうやがいたので小学校にもお邪魔させていただきました。ちょっと騒がしくなりましたけど。(監督がもう一度平戸に来て、映画を撮りたいと言ったことを受け)こう言った降旗監督は必ず来ますよ!

綾瀬はるか(濱崎奈緒子役):今朝も海がきれいですがすがしい気持ちです。平戸はお魚もおいしいし、お肉もおいしいし感動しました(場内笑)。撮影初日に旅館に帰ると、フルーツと「お疲れ様です」と書いてあるお手紙がお部屋にあって。料理長さんからだと思っていたら、翌日高倉さんからのプレゼントだったと知ってびっくりしました。
三浦貴大(大浦卓也役):撮影地でもある平戸に挨拶に来ることができて幸せです。昔、ライフセービングをしていたので海の男を演じることができて良かったです。

降旗康男監督:撮影の時はご協力ありがとうございました。心より御礼申し上げます。皆さんも僕らと一緒になった映画だと思って今後も応援していただけると嬉しいです。また機会があったら撮影をしに来たいなと思っています。