昨年の9月に地元花巻で撮影しました、宮沢賢治さんの童話「よだかの星」をモチーフにした映画「よだかのほし」が完成しました。本作は花巻祭り、イギリス海岸、市民の家、北上川など、地元の手触りが伝わるロケ地をめぐって撮影されました。特に今回特別に、宮沢賢治さんが産湯を浸かったという「産湯の井戸」でも撮影をさせていだきました。   

斎藤玲子監督「 東北の映画を撮るというきっかけから始まりまして、宮澤賢治さんの大ファンで、東北なら宮澤賢治さんの花巻で撮りたいという思いがあり、半ば,おしかけ女房的にこちらにやってきました。映画の中で、この井戸はヒロインが過去を思い出すきっかけとして、重要なシーンに出てきます。また、映画の中で、花巻を表現するのにこの古くて趣きのある賢治さんのご実家の建物を撮りました。賢治さんの故郷を多くの人にみてもらい、花巻にぜひ来てもらいたいです」   

菊池亜希子(今回は新作映画の撮影のため欠席、代わりにコメントが届いてます)「宮澤賢治さんの描く物語が大好きで、「よだかのほし」も何度も読んでいました。この映画のテーマは故郷です。故郷への思いは人様々ですが、花巻の町は私の田舎の風景と似てます。流れている空気がおだやかで、とてもやさしい。一歩立ち止まって自分自身と向き合い、内側からあふれる感情は主人公トワのものなのか、私自身のものなのか、わからなくなる時もありました。この作品にこのタイミングで出会い、実際に花巻で撮影できたことはとても大きな意味があったと思います。映画では花巻祭りや宮澤賢治さん縁の地など花巻の魅力がたくさん切り取られてます。トワの目に映る花巻という故郷の景色を通して観た方、それぞれの故郷の景色が広がったらとても素敵だなと思います」                      
宮澤啓佑さん「この井戸は江戸時代からのもので、母方の実家ということで、賢治さんが実際に産湯に使いました。母イチさんの実家から聞いた話によると、賢治さんが生まれてこの井戸から産湯を使ってすぐ大地震があり、母が赤ん坊の賢治さんを地震からかばったという話がありました。花巻市の活性化の為にこの井戸の公開を始めてもう10年が経ちますが、この映画をきっかけに賢治さんゆかりの花巻に多くの人が訪れてくれることを願います」