常に革新的な表現を生み出し、エンターテインメント作品のスタイルに多大な影響を及ぼす奇才・堤幸彦監督の最新作『MY HOUSE』。この度、日本外国特派員協会での作品上映&記者会見が実施されました!
堤監督が、これまでと違ったアプローチで撮った本作の熱い思いを世界に向けて発信致しました。
質疑応答のなかで、堤監督が何故、今この作品をてがけたのか。作品についての質問が多くみられました。

日時 5月7日(月)  
場所 (社)日本外国特派員協会

堤 幸彦(監督)
登場人物は路上生活者やエリート中学生、潔癖症の主婦など特別な人を描いているように見えますが、実は潔癖症の主婦は私なんです。また、塾に通いつめて勉強ばかりしている中学生も(これも非常に狭い見聞ですが)典型的な日本人だと思っています。そうした人物の日常的な人を描いているんです。
【何故名古屋で撮影したのか?】1つは(名古屋は)万博の時に路上生活者を一掃しようとしてうまくいかなかったという経緯がありホームレス政策が厳しいという事。もう1つは、学歴環境社会があり自分があまり(勉強が)できなかったという事もあるので色々な思いをこめて名古屋を選びました。さらに東京でつくっているスタッフだと慣れて甘えてしまうので、しがらみがなく1からつくれる環境で新しい作品をつくりたかったからです。【タイトルの理由は?】始めは0円生活というタイトルだったのですが、ある日突然(このタイトルが)ふってわいてきて、こっちの方が面白いと思って提案しました。ぽかんと晴れた日のイメージなのですが、内容がシリアスなので内容と違うという皮肉を込めてつけました。

前田浩子(プロデューサー)
この映画は、昨年の3月9日にクランクインしたので、3日目に3月11日をむかえました。
木村多江さん扮する主婦の家では家族がつながる事がなく冷たい空気が流れている。一方、主人公達がいる公園では(タイトルの「MY HOUSE」は“ボクんち”みたいなニュアンスなんですが)ひだまりの暖かさがある。それが明日へのメッセージなのではないかと思っております。