待望の完成披露試写会に勢ぞろいした豪華キャストたちが登壇すると、観客から、一斉に歓声と拍手が沸き起こった。まだ上映前ということで、登壇者の挨拶を観客は真剣な面持ちで聞いていた。舞台挨拶の途中では、監督が撮影中のマル秘エピソードを暴露するという企画もあり、劇場内を歓声の渦が包み込んだ。終始、笑いの絶えない舞台挨拶は終了した。10kg減量して撮影に臨んだり、鼓動が聞こえるくらいの緊張感は、見ている私達が息もつかせない作品を作りだしている。物語がシリアスなものなので、それぞれの役者に鬼気迫る演技が求められ非常に重苦しい撮影だと思いきや、シリアスな演技をするからこそ、撮影中では和やかな雰囲気だったことが伺えた。それぞれがオンとオフを使い分けることでシリアスな演技に結びついた。

●日程/4月19日(木) 
●場所/有楽町朝日ホール
●登壇者/渡部篤郎、真木よう子、尾野真千子、田中泯、石橋凌、堀切園健太郎監督

<登壇者コメント>

渡部:一曲歌いたいです。本当に感謝しております。シリアスな映画なんで、真面目にいきたいと思います。

真木:今回初めて皆さんに見てもらうということで、すごくドキドキしています。外事警察に利用される役ですが、見てもらって楽しんで帰ってください。

尾野:今日はありがとうございます。結構楽しく出来上がっています。暗い映画ですけど、楽しんでください。

田中:とても難しいお仕事でした。何とかなっているといいんですが、どうぞお楽しみください。

石橋:私も今日歌います。ドラマをやっている時から、興味深く、面白く、映画に参加出来て幸せです。

監督:こんなに大勢の方々に集まって頂き感無量です。舞台に立つ前に、渡部さんからは「映画が重苦しい映画だから、楽しく行こうぜ!」と言われたのに、真面目な映画なので、真面目にやりますと、いきなり騙されてしまったんですが、こんな調子で撮影もしておりました。すでに見て頂いてる方には良い意味で「日本映画らしくない」と言われて、脱「日本映画」をご確認ください。

<監督が撮影中のマル秘エピソードを暴露する企画>
※映画になぞらえて、監督に協力者となって頂き撮影中のエピソードを提供!!

●韓国ロケの合間に、K-POPアイドルの出待ちをしていた
監督:(会場内騒然)みなさんも、お分かりですね!渡部:シリアスなね、役だったのでね、そんなことはできる訳ないじゃないですか(笑) ソウルタワーに登ったりチェ・ジウがよく行くバーに行ったり、そんなこと出来るわけないじゃないですか(笑) KARAの事務所が近くにあったので、喫茶店で待っていました。結局、会えなかったです。

●演技中、心臓の鼓動が聞こえるときは良い芝居をする
監督:撮影中、良い芝居をする時と悪い芝居をする時がありまして、ふと気付いたんですが、良い芝居をするなと思うと尾野さんの鼓動の音がものすごく聞こえるんですよ。良い緊張感を持っているなと。段々、慣れてくるとなくなるんですけどね(笑)尾野:良い話でしたね。聞こえてるとは知らなかったです。でも、その音がはみ出すくらいの緊張はしました。芝居に入っちゃうと音は気付かないですね。今もしてます。

●「撮影中、10kg体重が減った」
監督:あらかじめ言っておきますが、僕がお願いしたわけじゃないですよ(笑)もともと痩身の方なのに限界まで痩せていただいて・・・。田中:役の上での仕事なんで、しょうがない(笑)僕は、演技ができないので体だけでも準備しようと思って、食べなきゃいいんですよ!普通より食べませんでした。引き算ですから。

●最後に渡部「一曲歌います(笑) 本当に感謝しております。撮影は本当に大変で苦しい思いをしながら、いつもやっております。でも、みなさんに見て頂くことで全てが報われる思いです。本当に今日は嬉しく思います。ありがとうございました」と締めくくった。