Q7.(オダギリさんに)『悲夢』ではイ・ナヨンさん、『空気人形』ではペ・ドゥナさんと韓国の俳優と共演することが多い。韓国に対して特別な印象や思いはあるか。
ご飯もおいしいし、人も皆性格もいいですし、日本から2時間でつくし、もういたれりつくせりですね。韓国映画はスケールも大きいし、日本の映画いはないことが多いので毎回参加することを楽しみにしています。

Q8.(ファン・ビンビンに)戦争映画なので戦闘シーンが多かったと思うが、俳優でも大変だろうけど唯一の女性キャストとして大変だったことは。
おっしゃる通り戦闘シーンが多かったのでとても大変でした。特に爆発シーンと射撃シーンが多かったので最初はとても怖かったです。でも、オダギリさんとチャン・ドンゴンさんが本当に一生懸命やられている姿を見て私もがんばれました。また撮影中はとても寒かったのですが、チャン・ドンゴンさんがいつも「疲れました?」と親切に気遣って聞いてくれたので、韓国語で「疲れました?=ピゴネヨ?」という言葉を覚えました。そして、「疲れていません=アンピゴネヨ」という言葉も覚えました。(笑)
また、監督は本当に俳優を気遣い守ってくれる素晴らしい方でした。
中国の周りの女優からも『マイウェイ』に出演できたことをとてもうらやましがられました。大変でしたけどとてもやりがいのある作品でした。

Q9.(監督に)カンヌの制作発表会の時に、キャストの3人は完璧な調和だと言っていましたが、実際に映画を撮影されてどうだったか。
(チャン・ドンゴンさんに)チャン・ドンゴンさんは、『ブラザーフッド』以降、『マイウェイ』で演じてるような強い男のイメージ強いですが、イメージ固定してしまうなどの心配はないか。
(監督)このような作品は、俳優の協力がないと決して完成させることはできません。出演してくれた俳優のおかげでこの映画を撮ることができました。それぞれ自分の役を120%こなしてくれました。この場をかりてもう一度みんなにお礼を言いたいです。

(チャン・ドンゴンさん)そうですね・・・意図的にそういったキャラクターを選んでいるわけではないですが、このような役柄は演技や表現することにやりがいを感じます。イメージが固定されるという心配はありませんが、日常のライフスタイルを演技できる役があればやりたいと思っています。

Q10.(オダギリさんに)撮影でのエピソード。チャン・ドンゴンさんとファン・ビンビンさんの印象はどうだったか。
そうですね。もう10箇月間撮影していたので、いっぱいありすぎて忘れますが、本当に面白かったのは、雪山で撮影してて丸太を木を倒すシーンがあって、撮影のためにきこりのおじさんが倒れやすいように途中まで切ってくれていたのですが、僕たちがぼーっとしている間に木を全部切って倒してしまったことがあったのがおもしろかったです。
お二人は、もちろん各国を代表する美男美女なので、僕も皆さんと同じような印象をもっていました。チャン・ドンゴンさんは凄くやさしくて現場を引っ張っていくリーダーにふさわし方で、ファン・ビンビンさんは、日本でウーロン茶のCMに出ているのですが、バクバク食べる姿がかわいくて、魅力的な女優さんだと思います。

Q11.(チャン・ドンゴンさん、オダギリさんに)戦闘シーンはファン・ビンビンさんもしんどかったと言っていましたが、お二人はマラソンシーンもあったと思うし、戦闘、爆発シーンも多かったと思いますがどうでしたか。また男の友情も重要に扱われたと思いますが、お互いに共演した感想は。
(チャン・ドンゴンさん)僕だけ以前に戦争映画を撮っているので、撮影前に他の俳優に対してアドバイスを色々していました。爆発シーンや戦闘シーンではどうしたらいいかなんて、偉そうに教えて先輩ずらしていたのですが、実際撮影が始まって僕が一番驚いていたと思います。『ブラザーフッド』の時より技術的な面での進歩もとても多かったです。戦闘シーンは規模が大きくても小さくても、俳優が感じることができる光景はある程度の限界があるため、ただカメラ前ではとても集中力が必要です。爆弾を埋めた位置も確認しなければならなかったり、体も神経もすごく使いながら撮影しました。マラソンの部分は撮影前にプロの方の指導を受けて練習しました。夜出て走ったり、トラックで走ったりしました。僕の場合一度の8キロ走ったら本当にいっぱい走ったと思っていたのですが、オダギリさんは日本で実際にマラソン大会にまで出られてました。そういった準備をしたました。僕は個人的に日本の俳優さんと共演したことがありました。オダギリさんと演技する部分はほとんどセリフが日本語でしたので、今までの経験を生かすことができました。言葉の小さなニュアンスやイントネーションを完璧にすることはできないけど、感情を伝えることには大きな障害にはなりませんでした。オダギリさんにも本当に色々助けてもらい、撮影を無事終えることができたと思っています。オダギリさんが撮影現場でもそうですが、仕事に対してとても真面目に悩み、俳優という仕事について確固たる考えを持っている方だったのでお互いとても通じ合えたと思います。

(オダギリさん)大変な撮影が続いてましたし、振り返ってみても大変だったなと思うことばかりですが、それに対しては台本の段階でかなりしんどいとわかってたので、その時点で諦めてました。一日一日をうまく乗り切れればいいなと思ってました。朝鮮人参を食べるとかはなかったです。マラソンはやってみると案外気持ちよくてつい大会に出てしまったのですが、体にもいいし今後も続けてこうかなと思ってます。
チャン・ドンゴンさんは皆さんご存知のとおり本当に素晴らしい俳優さんです。俳優同士の、芝居をしてる時のお互いの気遣いがすごくて、演技をしていると微妙なとこまで相手のことが分かるんですよ。毎回、この人本当に優しい人だなと思い、毎日熱いやさしさを感じました。女性ならそりゃ惚れますよ。男性でも惚れるんですから。
特に芝居では、言語の問題はあまり問題にはならなく、人柄が問題になるのことが多いのですが、本当に完璧な理想の男性で、芝居もしやすくずっと引っ張ってもらっていました。本当に感謝しています。

Q12.(監督に)韓国と海外から投資も受けられて、日韓同時公開もすると聞いているが、海外マーケットの現時点での成果と今後の見込みを教えてほしい。
(チャン・ドンゴンさんに)観客の立場からみると、前作も次回作も海外に携わっているが、海外マーケットでの一貫した戦略はあるのか?
(キャスト3人に)戦争を背景にしているだけに、危険な状況が多かったと思うが一番ひやっとした瞬間は?

(監督)韓国は12月、日本は1月14日に公開が決まっています。中国とアメリカは今調整中ですが、1月下旬ころに公開が決まりそうです。今までの映画と違う点は、ほとんどの国で直接配給という形をとっているという部分です。ライツを売るのではなく、現地の配給会社と一緒に配給をします。残りの地域やヨーロッパに関しては、AFMの時にある程度の結果が出ると思います。

(チャン・ドンゴンさん)連続でこのような作品ですが、意図的だったり戦略ではありません。気に入って作品を選択していたらこうなりました。意識してなかったのですが、今質問されて気づきました。僕は、何でも新しいことにかかわることが好きなんだと思います。

(ファン・ビンビンさん)今みなさんが見られた映像の全ての部分が危険でした。そんな中でもオダギリさんとチャン・ドンゴンさん、監督やスタッフの方々がお互いを思いやり気遣って撮影できたことは本当によかったです。また先ほどオダギリさんが、チャン・ドンゴンさんは男だけど本当に惚れたと言っていたように、お互いを大事にする気持ちがあったからここまでできたと思います。また、韓国映画にでるのは今回初めてですが、本当に韓国の方たちは映画を愛しているんだなということが伝わりました。だから撮影しながら本当に大変なことも多かったけど、今日は私たちの映画が公開される初日なのでいい話ばかりできればいいと思います。

(オダギリさん)
皆さんさっき予告をみて、相当戦闘シーンが激したかったのはご理解いただけたと思いますが、まあ想像できるとこを超えて僕らは苦しかったですね。
実はチャンドンゴンさんとのアクションシーンのがヒヤッとしました。二人で殴り合うアクションシーンがあったのですが、本番に僕のパンチが本当にあたってしまって、その時は本当にヒヤッとしてぞっとしました。韓国を代表するチャン・ドンゴンさんの顔に気づつけたら僕もう韓国に入れないんじゃないかと思って。そこでもし大きな問題に、国際的な問題になったらと思いヒヤッとしました。

(Report:Yasuhiro Togawa)