「南極料理人」の沖田修一監督最新作、映画「キツツキと雨」。主演は日本ならずアジアを代表するベテラン俳優・役所広司。そして今回初の共演を果たすのは、昨年監督デビューも果たし才能溢れる若手実力派・小栗旬。
コメディセンス溢れるオリジナル脚本の本作で、今まで見たことのない二人の新境地が解き明かされます。

第24回東京国際映画祭で舞台挨拶が行われまいsた。

Q:東京国際映画祭で上映されることについて、ご挨拶とともにお願いします

役所:沢山の作品が上映されてるなかで本作を選んできていただき、本当にありがとうございます。心あたたまる、ほんわかした良い映画なので、楽しんで行ってください。

小栗:今回こういう形で、邦画で唯一コンペティション部門に選ばれて非常に光栄に思います。
とても素敵でハートフルな映画ですので、楽しんでください。

監督:コンペティション部門で邦画唯一ということで、本当に光栄に思っています。
ただその分緊張してしまいまして、こうして2人と一緒に並んでいるのも足がガクガクな状態です。
すごく時間をかけて話を考え、丁寧に皆で作り上げた映画なので、皆さまの前でこうして
見ていただけるとのことで、楽しんでいってもらえたらと思います。

Q:コンペティション部門で唯一の日本映画ということで、どういうお気持ちですか?

役所:誇らしいですね。今年の映画祭は「映画の力を信じよう」というテーマで、今年は東北の震災があり、日本全体が頑張って元気を出していかなくちゃいけないという中、この「キツツキと雨」という映画は、ほんわかと心あたたまる、未来に向かって前向きになれる映画だと思いますので、そういうとこで評価してもらえたのかなぁと思ってます。嬉しいですね。

Q:海外で色んな方が見ることについてどう思われますか?

小栗:嬉しいです(笑)
綺麗な日本の風景だったり、ゆったりとした日本人独特の、沖田監督に流れてる時間だと思うのですが、すごく日本らしい映画だなと思うので、そういうところで日本というものを感じていただけたら嬉しいです。

Q:役所さんと小栗さん二人の関係がどんどん絶妙になっていくところに笑いが生まれたり、ほんわかするのですが、今回初共演をしてみていかがでしたか?

役所:以前からCMなどで一緒になって面識はあったのですが、初めてお芝居を一緒にして
小栗くんのイメージは、やんちゃ小僧で聞かないやつかなと思ってたのですが、とっても大人なんです。
自分のコウイチという役について、俳優として真剣にまじめにやる人なんでビックリしました。
いつも小栗くんのほうから話しかけてくれて、芝居の話や人生の話もしましたし(大したことではないですが(笑))一緒に共演してひとつのシーンを作っていく感じもあり、本当に素晴らしい人だと思います。

小栗:役所さん演じる克彦さんはすごく優しい普通のおじさんで、以前から役所さんに興味がありましたし、子供のころから色んな映画に出てる役者さんで、どういう人なんだろうなぁと思って現場でお会いしたら、本当にいい意味で普通のおじさんでビックリしました(笑)

Q:コウイチという役は新人監督で、ご自身も映画を撮られていると思うのですが、共感したなというところはありましたか?

小栗:(ネタバレ?)途中でコウイチくんが、映画作りの重みに耐えかねてある行動をとってしまうのですが、その行動は僕も毎日現場で感じていたことだったので、明日雨降らないかなとか、帰りたいなと、
ずっと思っていたのでそういう気持ちはすごくわかります。

Q:役所さんはキコリの役だったわけですが、キコリを演じることで面白かった部分はありますか?

役所:その前に、小栗くんのコメントで「おじさん」が「old man」と聞こえたのですが、
海外の人に正しく伝わってのか、不安になりました(笑)
映画の中で映画を作る小さな撮影隊なんですけども、映画の中で映画を撮っているのか、本当に自分たちが、役者として芝居をしているのか…混ざり合う感覚というか、いい意味で曖昧に撮影した記憶があるので、思い出に残るような貴重な撮影体験になりました。

Q:沖田監督はこの後のティーチ・インがありますが、この後観て頂く方に一言お願いします。

小栗:ちなみに今日監督は、あまりの緊張に舞台挨拶で着る上着を電車に置いてきました(笑)

役所:今日のために、新しく買ったやつです(笑)
会場全体—笑—
Q:ということは、また新しく買ったんですか?

監督:えぇ、そこの六本木ヒルズで買いました(笑)

小栗:そんな素敵な監督が作っている映画なので、本当にあたたかい雰囲気が出てると思います。

Q:一言ありますか?

監督:頑張って作りました!(笑)