第35回モントリオール世界映画祭にて、出品作品の中で最もインパクトを与え、革新的で質の高い作品として、イノベーションアワードを受賞した映画「アントキノイノチ」(11月19日公開)。

先日行われた第16回国際映画祭でも上映された本作が、3つ目の国際映画祭参加となる第24回東京国際映画祭の特別招待作品として、本日、舞台挨拶付きのプレミア上映会が開催され、主演の岡田将生さん、榮倉奈々さん、瀬々敬久監督が舞台挨拶を行いました。

■日時:10月24日(月)18:30〜18:45
■会場:東京・六本木 TOHOシネマズ六本木ヒルズ 7番スクリーン(644席)
■登壇者:岡田将生、榮倉奈々、原田泰造、瀬々敬久監督

【舞台挨拶】

<最初に一言>

●瀬々監督:
この映画は、無縁社会、孤独死というキーワードが話題になっていた数年前に、「どうしてそんな世界になってしまったんだろう?」と思って立ち上げた企画です。

今年の3月1日から撮影をしていて、あの震災があった3月11日も撮影していました。
ああいう大変な出来事が起こって、果たして映画を撮り続けてもいいのかと、気持ちが揺らいだこともありましたが、瓦礫の中から思い出の写真や遺品を捜そうとする人々の姿をテレビの報道で見て、「この映画は、やっぱり作るべきだ」と、思って、スタッフともに一丸となって取り組みました。
そんな映画を、日本で開かれる、この東京国際映画祭で上映できるのが嬉しいです。

●岡田将生さん:
僕自身、本当にこの作品がとても大好きです。
映画を観終わった後、皆さんが僕と同じ気持ちになってくれていたら嬉しいです。

●榮倉奈々さん:
私が演じた窪田ゆきは、生き残ってしまったことに罪悪感を持っていて、それでも生きて生きたいと前に進んでいるのですが、その子が岡田くん演じる杏平と出会ったことで、「生きているだけでも人と繋がっているんだ。生きていることが大切なんだ」と、思ったのだろうな、と思って演じました。

何か難しいことを言ってしまいましたが、とにかく、この映画は「命」や「生きること」がテーマです。
性別や年代それぞれの環境によって様々な観方が出来る映画だと思うので、ぜひ楽しんでください。

●原田泰造さん:
(毎度お馴染みのご挨拶で、いきなり歌い出す)
財布の中身は2000円!原田泰造です♪
大好物はジャスミン茶 銀座・原宿・六本木〜!原田泰造です♪

※通訳の方が、英語に訳すので、それを面白がった原田さんが続けて歌い出し、会場は爆笑に包まれました。

この映画は、本当に様々なことを感じてもらえる映画だと思います。
みなさんも何か感じ取っていただいけたら、家に帰って、お風呂に入って、ベットに入って寝ていただけたら幸せです(会場笑い)。

●MC:
モントリオール世界映画祭でイノベーション・アワードを受賞されましたが、素晴らしい賞を持ち帰りました。今回、モントリオール、釜山、東京と3つの映画祭を駆け回りましたが、その中で「映画の力」を感じたことはありましたでしょうか?

●瀬々敬久監督:
この映画は日本の問題を考えて作ったのですが、モントリオールで、「私も遺品を整理したことがあるわ」とおばあさんが感動した様子で泣きながら駆け寄ってきてくれたのが印象的でした。

日本だけでなく、世界のそれぞれの国に、その国ならではの問題があると思いますが、それを映画で切り開こうとしてきた人々たちもいました。今でもその「映画の力」はあると思うし、僕たちもそういう意識を持ってこれからも映画を作っていきたいと思います。

●MC:
皆さんにお聞きします。「ありがとう」と伝えたい人は誰ですか?

●岡田さん:
すごく恥ずかしいですが、今、家族がこの場にいるんです…「いつも支えてくれてありがとう」。
・・・・・・あー、恥ずかしい! でも、本当にありがとう。(会場から温かい拍手)

●榮倉さん:
私は撮影現場で、たくさんのスタッフさんや共演者の方々と出会うのが好きなのですが、今回は映画祭に3回も参加できたので、「アントキノイノチ」のスタッフと共演者の皆さんに、「ありがとう」と伝えたいです。

●原田さん:
今日、僕と同じグループの名倉くん、堀内くん…は来ていないので、今は「ありがとう」という気持ちはありません(笑)。
今日ここに来てくれた方々、本当にありがとうございます。

<最後に岡田さんがご挨拶>

僕は難しい言葉は分からないですが、この作品は人と人のつながりを描いた作品だと思います。
僕もこの仕事を通して、誰かと繋がっていたいと思えました。
この映画を観て頂いて、皆さんにもそう感じていただけたら嬉しいです。
今日はありがとうございました。