11月19日(土)からの富山先行公開、12月3日(土)からの全国公開を記念し、本日10月23日(日)、本作のロケが行われた富山地方鉄道の稲荷町駅の車両基地にて、「地鉄電車サンクスデー」が行われました。

◆日時:2011年10月23日(日)10:00〜16:00
◆会場:富山地方鉄道 稲荷町車両基地(稲荷町駅構内/富山県富山市稲荷町4-1-48)
◆トークショーゲスト:中尾明慶、阿部秀司(製作総指揮)
◆主催:富山地方鉄道、北日本新聞社

【トークショー】

会場には、劇中にも登場した富山地方鉄道の車両たち—「だいこん電車」の愛称で親しまれているモハ14760形、「かぼちゃ電車」(モハ10030形)、「レッドアロー」(モハ16010形)—の車両が一斉に並び、普段足を踏み入れることのできない車庫や電車の運転席等が一般公開されるとあって、鉄道ファンや家族連れなどがおよそ1,000人近く集まり、会場は大きな熱気で包まれました。その他にも、富山地方鉄道の駅の人気投票、鉄道写真の展示、『RAILWAYS』のパネル展示、鉄道グッズの販売なども行われ、大変な賑わいを見せました。

そして車庫内に並ぶ「だいこん電車」をバックに、新人運転士・小田友彦を演じた中尾明慶さん、製作総指揮の阿部秀司さんによるトークショーが行われ、富山ロケの思い出や映画の見どころなどが披露されました。

Q:映画の公開を控えた今のお気持ちをお聞かせください。

◆中尾さん:
いよいよかと思い、ワクワクドキドキしていますが、何より、みなさんに早くこの作品を観ていただきたいと思います。僕自身、自信を持ってすばらしい作品だと言えると思いますし、三浦さんや余さんなど大先輩がすてきなお芝居をされていて、そんな方たちと一緒に作品に出られたということが嬉しかったです。

◆阿部プロデューサー:
富山のみなさんにご協力いただき、おかげ様ですばらしい映画ができたと自負しております。中尾くんについては、最初、新人運転士役として会ったときに、「電車は好き?」と聞いたら「電車はわかりません」と言われたので、正直どうしようかと思いました(笑)。でも、結果、見事に新人運転士の役を演じてくださって、本当に感謝しています。

Q:この稲荷町駅の車両基地も映画の重要なシーンで使われたそうですが、久々に来られていかがですか?

◆阿部プロデューサー:
僕は自他共に認める電車好きなので、こういう環境にいること自体が夢のようです。
ここで撮影もさせていただいたし、何より今、自分の真後ろに電車があるということだけでドキドキします。とくにこの「だいこん電車」が大好きな電車なので。

◆中尾さん:
撮影中は毎朝ここで集合して、運転シーンの撮影でもここから出発していたので、懐かしいです。初めて富山に来て、電車の勉強をするときにもここに見学に来ました。
この場所で朝三浦友和さんにお会いして、そこから緊張の1日が始まりました(笑)。

◆阿部プロデューサー:
撮影で電車を動かすということで、緊張感は最初から最後まで続きました。
富山地鉄さんには撮影のための特別なダイヤを組んでいただいたりと、本当に協力していただきました。

Q:富山の印象は?

◆中尾さん:
富山にはこの撮影で初めて来ました。寿司がめちゃめちゃ美味しくてびっくりしました。
あと、撮影が休みの日があったのでタクシーに乗って町をプラプラしようとしたときに、運転手さんに「向こうに絵みたいなものがあるんですけど、あれは何ですか?」と聞いたら、「バカやろう、あれは山だよ!おまえそんなのも知らないで来たのか!」と言われて、「えっ!?」と・・・(笑)。その日はものすごく晴れていたので、山がめちゃめちゃ近くに見えたんですよ。それまで何度か見ていたときは、曇っていると少し遠くに見えていたりしたので、日によってこんなに見え方が違うんだな、というのは驚きましたね。

Q:中尾さん、電車には当初あまり詳しくなかったそうですが、
この役を演じる前と後で運転士に対するイメージは変わりましたか?

◆中尾さん:
僕は電車というのは小さいころから当たり前のように乗ってきたので、どこかで電車に運転士さんがいるということを忘れてしまいがちだったんですけど、その裏では毎日点検を重ね、安全に送ってくれる運転士さんやスタッフの方々がいるんだな、ということは忘れちゃいけないなと今回思いました。

Q:シリーズ第2弾に富山を選ばれた理由は何ですか?

◆阿部プロデューサー:
富山地方鉄道は、昔から好きだったんです。立山をバックにした写真も随分見ましたし、何よりローレル賞を獲ったこの「だいこん電車」が大好きで、富山地方鉄道をいつかは映画でやりたいと思っていました。

『RAILWAYS』第1弾が終わって次にどうしようかと考えたときに、すぐにこの富山地方鉄道を思い付いたのですが、あまりにも魅力的なので、実は3作目くらいに取っておきたかったんです。ただ、3作目が出来るかどうかもわからなかったので、やっておこうと。魅力的な車両もいっぱいあるし、2作目に持ってくるのは僕としてはもったいない気もしたのですが、3作目につなげるためには、とエースを切りました。

Q:やはり鉄道のファンのみなさんに満足していただけるように、ということは意識されましたか?

◆阿部プロデューサー:
そうですね。嘘があってはいけないと。地鉄さんが協力もあり、運転の所作など、一連のことは三浦友和さんも訓練を受けられました。クランクインしてからの最初のカットが電鉄富山駅の三浦さんのシーンだったのですが、制服を着た三浦さんが現れたのを見たときに、そこにいたのは“三浦友和”というよりも“富山地鉄の滝島徹”という人そのものだった。それを見たときには「これはすごいな」と思いました。この映画は絶対成功するなと思いました。

Q:ところでこの作品は熟年夫婦の物語が軸になっていますが、中尾さんは共感される部分はありますか?

◆中尾さん:
僕はまだ結婚というものがあまりよくわからないですけど、映画を見て、きっとどの家庭にもこういう夫婦の問題があって、でも、それを抱えながらも死ぬまで一緒に生きていくのが夫婦なのかな、と僕なりに考えました。
今回のような夫婦の関係を、僕もいつか結婚したときに作れたらいいなと思います。

Q:理想の結婚像は?

◆中尾さん:
できるだけ自由がいいので、あまり奥さんにお財布は握られたくないなと思います(笑)。
できれば自由に羽ばたいていたいな、と。

◆阿部プロデューサー:
この映画は夫婦で見に行くという方と、別々に見たほうがいいな、という方と2つのタイプに分かれるな、と思いましたね。ただ、富山県では“夫婦券”がたくさん売れているということなので、きっと富山にはきっといい夫婦がたくさんいらっしゃるんだろうなという気がします。
ぜひ夫婦で観ていただきたいです。

Q:最後に映画の見どころと、富山のみなさんにメッセージを。

◆阿部プロデューサー:
富山は観光資源がとにかくいっぱいあるので、この映画をきっかけに富山を全国にとどろかせていただきたいと思います。この作品クランクインは3月12日だったのですが、前日の3月11日の午前中に富山の神社でお祓いをし、午後に東北で災害が起こり、我々スタッフ・キャストもその日の夜は随分悩みましたが、自分たちは与えられたことをしっかりやって、みなさんに力を与えられるようなものを作ろうということで、一同結束が固まり、結果的にすばらしいものが出来たと思います。
1度と言わず、一人5度くらい見ていただきたいです。

◆中尾さん:
この作品は本当に胸を張ってすてきな映画だと言えると思うので、楽しんでいただけたら嬉しいです。そしてもし、みなさんが5度観ていただいて、その中でパート3の主人公が小田(中尾さん演じる新人運転士)だったらいいなと思ってくださったら、僕はこの町に帰ってくるかもしれません!
みなさん、この映画をみなさんの力で大きくしてください!