「自分のことより、他人のこと」 周りのみんなを元気にする、“粋”な妊婦ヒーローの誕生!

仲里依紗主演、石井裕也監督最新作『ハラがコレなんで』が、11月5日(土)より、渋谷シネクイント他全国で公開いたします。
このたび、第16回釜山国際映画祭「アジアの窓」部門に出品、10月12日(水)に正式上映が行われ、仲里依紗、石橋凌、そして石井裕也監督が舞台挨拶に登壇しました。

釜山映画祭は今年会場を一新、“映画の殿堂”(*)と冠した巨大なメイン会場を中心により、スケールをアップして開催されている。
同じ「アジアの風」部門には、三池崇史監督『一命』、園子温監督『恋の罪』『ヒミズ』、塚本晋也監督『KOTOKO』など日本映画の注目作品も出品されている中、
『ハラがコレなんで』の12日(水)を含めた3回の正式上映約750席が完売する盛況ぶりでした!!
仲、石橋、石井監督3人とも釜山映画祭は初めての参加で、仲は全68公演に及ぶ舞台(「髑髏城の七人」)を終えた直後に釜山入りしたため少しハスキーな声での挨拶でしたが、笑顔で歓声に応えていました。

上映後、観客は皆、まさに光子の“”粋“な心に元気”にしてもらったように明るい表情で、仲が「こんにちは。仲里依紗です。お会いできて嬉しいです!釜山最高!(アンニョンハセヨ、ナカリイサイムニダ。マンナソパンガウォヨ。プサン、チェゴ!)」と韓国語で挨拶すると、会場からは歓声が!「ヤンキー君とメガネちゃん」「幸せになろうよ」など出演するテレビドラマが韓国内でもインターネットで視聴され、自身の主演映画『時をかける少女』が今年3月に韓国で公開されるなど、韓国での人気も高い仲へ「『時をかける少女』の少女役と今回の役への変化について」の質問があったり、「本当に元気が出てくる映画でした!」という声もあがっていました。最後に仲が、「日本だけでなく世界中、大変なのことや葛藤を抱えている人も、この映画をみると前向きになれる、そういう作品になったと思います」と話すと、会場は温かい拍手に包まれました。

*映画の殿堂(Busan Cinema Center):3年前に着工し、今年完成した釜山映画祭の専用館。地上9階、地下1階規模で4つの上映館からなる。入り口広場天井にはLEDパネルが一面に敷き詰められ、また縦24m、横13mの韓国内最大のスクリーンがある野外上映場(4000席)も備えている。

釜山国際映画祭での上映にあたり、仲里依紗と石井裕也監督は11日(火)昼過ぎに、石橋凌は10日(月)午後に釜山入り。
11日(火)19:30からのトークイベントにも参加、12日(水)は16:00からの公式上映後、17:50すぎからの舞台挨拶に登壇した。

<会場(ロッテシネマセンタムシティ5)の様子>
チケット(約250席)は完売 (←本日を含む計3回の上映約750席完売)
客層の中心は、10代後半〜20代、30代の若い層

<舞台挨拶&Q・A>
仲、石橋、監督が登場すると、20台以上のカメラから一斉にフラッシュ!
仲は、黒いワンピース姿で登場、観客からは”カワイイ”(日本語)の歓声も!

監督:今日は、有難うございます。
仲:こんにちは。仲里依紗です。お会いできて嬉しいです!釜山、最高!
(アンニョンハセヨ、ナカリイサイムニダ。マンナソパンガウォヨ。プサン、チェゴ!)(韓国語で挨拶)
石橋:こんにちは、石橋凌です。本当にありがとうございます。(韓国語で挨拶)

—『時をかける少女』で少女役、今回は妊婦役と変っていったことは?
仲:時かけは、10代最後、間は2年は開いていますが、まだ2年という感じで、もう少し大人になって演じるかと思ったらあまりに早くてびっくりしました。光子は、“そういえば妊婦だった!”というパワフルな役で、こういう妊婦さんもありだな、と。妊婦さんは不安なことも多い時期だけれど、光子みたいな妊婦がいてもいいかな、と思いました。でも(時かけからみると)スパンは早かったです(笑)

—監督のこれまでの作品も、女性らしい女性を描き、周りに元気を与える、堂々として“粋な人物が多く登場するがそういう人が好みなのですか?
監督:女性らしさや女性像を描いているわけでなく、描きたいのはいわゆる人間なので・・自分の好みとかは無いです(笑)

—石橋さんはこれまでの作品では強いあおyメージのキャラクターが多かったけれど、今回のように、ちょっと奥手でちょっと情けないような
役を演じてみてどうでしたか?
石橋:これまで(演じてきたのは)7割悪人で7割殺されますから(笑)今回最後まで生き残れました(笑)演じた次郎のように、愚直に生きなければならないと思いました。

—光子がアグレッシブなキャラクターだけれど、良いところと悪いところはについては?
仲:光子は、こういう人が1人でもいたら、みんなをまとめてくれる。日本人は内に秘めたりするから「OK!」といって、前進する人がいたらいいなと。でもちょっとまわりをまきこみすぎなところもあるかな(笑)

年齢も若いけれど、映画を好きな熱い観客が集まったこともあり、仲の主演作はもちろんのこと、石橋のこれまでも作品もしっかり見ている観客だけあって『ハラがコレなんで』を十分に楽しんでくれた空気が伝わってきました。
最後に監督が、「釜山にまた戻ってこられるよう、映画を作ります!」としめて、終了。
終了と同時に、観客が仲たちに殺到し、写真撮影やサインを求めるなどして人の輪ができ、注目度の高さを表していました。

※前日11日(火)夜に、プサンシネマセンターのアカデミーホールで行われたトークイベン「The Blue Chip of Japanese Indies」(*)では、
仲、石橋は今回の役柄について聞かれると、
“粋”な女性「光子」を演じた仲は「(役柄ついて)あまり準備をするタイプではないのですが、光子の気持ちは分かる。自分も、いい風が吹けばそのときに行けばいい!と、思うから」と話し、石橋は「最近は、粋だね、とい会話も少なくなってきている。光子ような自分より他人のこと、こういうのを“粋だね”と言ったから、そういう日本人の“よい所”を願ってこの映画を作ったんだと思う」と話すなど、二人とも、監督の伝えたかった“粋”をしっかり受け止めていたこがわかりました。
また、MCから「監督は粋な方ですか?」と質問が飛ぶと会場からちょっと笑いがおきるも、、それを受けて石橋が「もちろん粋な方です作品にも表れていますし」としっかりと締めていました。

*ブルーチップとは、見込みがある、優良望株という意味。(株式市場で使われる)石井監督が日本映画界の”優良株”、これから先も期待がもてる監督であるという意。