オーディションで300人の女性の裸を見たパン監督について
高橋ヨシキ氏 「彼は信用出来る男だ」

映画『ドリーム・ホーム』のヒットを記念して、シアターN渋谷にてトークショーを行いました。

【イベント概要】『ドリーム・ホーム』ヒット記念トークショー!!「残酷映画を楽しむ会 〜香港三級片〜」
【日時】 6月11日(土)20:40〜 【場所】シアターN渋谷
【登壇者】 高橋ヨシキ(アートディレクター、ライター、デザイナー)、柳下毅一郎(翻訳家)、田野辺尚人(「映画秘宝」編集部)

ホラー映画好きの間で斬新な殺し技の連続が話題となっている、香港の猟奇映画『ドリーム・ホーム』のヒットを記念したトークショーが、シアターN渋谷にて行われた。本作の応援者:高橋ヨシキ、柳下毅一郎、田野辺尚人らが集まり日本のR-18+指定作品に相当する“三級片”という香港の成人指定映画について熱く語った。

登壇して早々、映画秘宝編集部の田野辺氏が、「:金持ちを殺して家賃を下げるんだ!!」と絶叫。手に入れたい物件の周辺で殺人を起こして事故物件にし、家賃を下げようとする本作。高橋ヨシキ氏は、「そんな作風とは裏腹に、主演のジョシー・ホーの父親はマカオのカジノ王で、香港の不動産価格を実際に上げていた人。ジョシーが演じたのはその父親の稼ぎ口をつぶして回る役柄なんですよね。しかも父親は映画にも出資もしている。何も知らないで出資していたというから何とも皮肉な映画です(笑)」
今回は、『残酷映画を楽しむ会〜香港三級片〜』ということで、皆さんに本作と香港三級片について聞いてみました。
柳下氏:「殺人に入ると急に頑張り出す映画。そのへんが今の香港映画ではなくて、香港三級片らしい感じになっているんでやっぱりこれはいいなと感じましたね。」
田野辺氏:「オープニングに「これは実話である」と出るんですけど、それは三級片を意識していて実際のところは家賃が高いということだけが実話であってそれ以外は全部本当に起きた事件じゃないらしいんですよね(笑)パン監督がスラッシャー映画をなぜ好きかというと、1980年代、彼が10代の頃はエッチな映画は三級片に指定されていて観たいのに観ることができなかった。ビデオ屋に行って必ず女性の胸が出てくるアメリカのスラッシャー映画を借りてたくさん観ていたらしいです。彼もそういう映画を撮りたいと思って『ドリーム・ホーム』を作ったので、念願が叶いましたね。」
高橋氏:「ジョシー・ホ-はキリッとした美人女優なのに『私はスプラッターが撮りたいからお父さんお金出して!!』と言っちゃうところに香港は夢があっていいなと思いました(笑)でももうちょっと脱いでくれればいいなと思ったけどね。その代わり裸の女性がいっぱい出てきていて、監督によれば『裸の女性を出すからには実際身体を見なきゃいけないからオーディションを全部裸でやって俺は幸せだった。これは監督の醍醐味だよな!(笑)』と言っていて信用できる男だと思ったよ。」

会場は3人のトークで大爆笑の渦に巻き込まれました。

6月18日(土)には、『ドリーム・ホーム』のパン・ホーチョン監督に焦点を当てたトークショーも開催決定。
「パン祭り!! 〜パン・ホーチョン好き集まれ!〜」
6月18日(土)シアターN渋谷、19:00の回上映終了後。
登壇予定者:最上麻衣子(字幕翻訳家)、くれい響(映画評論家)