本日、5月28日(火)、有楽町スバル座にて、映画『TAKAMINE アメリカに桜を咲かせた男』の初日舞台挨拶を行いましたので、ご報告申し上げます。本作は、タカヂアスターゼの発見、止血剤アドレナリンの結晶化など、ノーベル賞級の偉業を果たした化学者・高峰譲吉が、今から100年前に日米友好のシンボルとして桜をアメリカに贈った苦労や経緯を描いた感動作です。

〈登壇者〉
長谷川初範さん(55)、篠田三郎さん(62)、渡辺裕之さん(55)、田中美里さん、
川久保拓司さん(29)、ナオミ・グレースさん、市川徹監督

登壇者のコメントは以下の通りです。

立ち見の観客もいる超満員の中、登場した長谷川初範さんは、「やっとこの映画が、上映を迎えられて非常に嬉しいですね。雨の中、見に来ていただいて感謝します。」と挨拶。上映後の挨拶であったので、映画の感想は?と聞かれた観客からは拍手喝采。そのあたたかい雰囲気の中で舞台挨拶は始まった。
実在した登場人物の当時の写真と劇中のそれぞれの写真をパネルにしてお披露目。パネルを見て、(ヒゲにメガネを掛けている)化学者の高峰譲吉を演じた長谷川さんは、「わたしのパネルは、カーネル・サンダースみたいですねえ(笑)」と茶目っ気たっぷりで会場を和ませた。高峰譲吉の友人の東大出身者でもある桜井錠二を演じた篠田三郎さんは、「わたしは東大の近くに住んでいるので歩いている道は、桜井さんと同じ道だと思います。」と役柄に親近感をもったことを明かした。

渡辺裕之さんは、この日のために新調したというスーツで登場。役作りで、「分け目を普段とは逆にして演じました。」と話したが、共演者も気づいていなかったようで、渡辺さん独自の役作りの方法を明かした。実家が茨城県の水戸市にあり被害にあったという渡辺さんは、「実家の7割は壊れていました。水戸市の避難所を7か所周ってきて、リボビタンDを配ってきました。僕が“ファイト”というと避難所の皆さんが“一発!!”と返してくれて嬉しかったですね。(本作でも描かれている)桜は、人が上を見上げられるように下を向いて咲くんです。だから日本も元気になってほしい。」と語り、会場でも観客と一体になって「ファイト一発!!」を披露。日本中に気合を入れた。

川久保拓司さんは「ベテラン俳優の皆さんと共演できて非常に勉強になりました。」と語り、長谷川さんのアドリブにあたふたしていたことを暴露されるも「現場でつくり上げていくことで(演技ではなく)本物の会話になったような気がして、いい経験になりました。」と苦労しながらも成長したことを垣間見せた。アメリカでの撮影に挑んだ田中美里さんは、「一番英語が大変でした。映画がきかっけとなって今では英会話の先生からも褒められるようになりました。」と語ると、渡辺さんから、「田中さんはアメリカの現場では大人気だったんですよ。スタッフ達で食事したときもみんな田中さんしか見てなかったんですから。」とアメリカ人スタッフに大人気だったことを明かした。川久保さんもアメリカで大人気だったようで、アメリカ人男性スタッフから長谷川さんも「川久保も彼氏はいるのか?」と聞かれていたそう。田中さん、川久保さんはアメリカでモテモテだったエピソードを語った。

ナオミ・グレースさんは、劇中にも出てきたワシントンの出身でもあり、「8歳の時にワシントンの桜祭りに行ったことがあり、Destiny(運命)を感じた。」と本作への想いを語った。市川徹監督は、今回の初めての試写が3.11の地震の日にあったこともあって、「日本に元気になってもらいたいと強く思っています。今後は、被災地でも上映したいと考えています。」と語った。
最後に、長谷川さんの出身校の学生さんから花束を贈られるサプライズもあり、長谷川さんは、「地震以降、日本はいろいろ変わってきている。変わらなければいけない時期にある。100年前の祖先が残してくれたものがみなさんに伝わればいいなと思っています。」とエールを送り、舞台挨拶を締めくくった。