映画『愛を乞うひと』で多くの映画賞を受賞、人間をリアルに描くことに定評がある平山秀幸監督が、盟友である劇作家・鄭義信と再びタッグを組んだ渾身の自信作『信さん・炭坑町のセレナーデ』が11月27日(土)に初日を迎え、監督・出演者が新宿ミラノにて舞台挨拶を行った。

登壇者:小雪(33)、池松壮亮(20)、石田卓也(23)、柄本時生(21)、小林廉(14)、金澤美穂(17)、平山秀幸監督(60)

小雪:この作品を、九州で撮影できたことはとてもうれしく、本日初日を迎えられて本当に有り難く思っております。私が演じた美智代は、さわやかな風が吹いているような女性。明るくて、女性らしさも母性愛にもあふれて、肝が据わっている魅力的な女性です。現場は、監督のおかげで家族みたいにあたたかい雰囲気でした。是非、家族や大切な人と観ていただきたいです。

池松壮亮:小雪さんとの共演は『ラストサムライ』(2003年公開)以来6年ぶりだったのですが、会った瞬間に当時のことが甦ってきました。当時の僕は、本日の廉(小林廉)くらいの頃だったと思います。小雪さんは、人をあたたかく包んでくれるので、再び共演できて懐かしかったです。

石田卓也:恋愛作は初めてに近いのですが、そのお相手が小雪さんという、すごい方との共演だったので、初めはとても緊張しました。しかし、僕が風邪をひいている時に、風邪薬をくれるなどさりげないやさしさは本作の美智代とそのままで、とても素敵な人だなと思いました。

小林廉:撮影時は、12歳でした。つらい人生を送る信さん役は難しく、何度も何度も台本を読み役作りしました。(川辺で後ろから抱きしめられるシーンについて聞かれ)こんな美人の人がぎゅっとしてくれるなんて。。。今だったら顔を真っ赤にして逃げ出してしまうかもしれません!
(「今も顔が真っ赤ですけど」と司会に言われ、会場は笑いに包まれた)

平山秀幸監督:CGを使わないロケ中心の映画作りの原点のような撮影を行ったので、役者には当時の格好で演じてもらった。映画は、作り手だけでは成立しません。観客に観てもらって初めて成立します。是非多くの方にご覧頂きたいです。

柄本時生、金澤美穂も楽しい現場だったとコメントを残し、会場を後にした。