この度、『最後の忠臣蔵』で映画の本場、ハリウッドのワーナー・ブラザース本社にあるSteven J. Ross Theaterでの役所広司さん、桜庭ななみさん、杉田成道監督の舞台挨拶とレッドカーペットを行いました。

10/11(月)試写会当日は、役所広司さん、桜庭ななみさん、杉田成道監督、アイアトン社長が現地入りし、ワーナー本社からは、バリー・マイヤー氏(会長兼最高経営責任者-CEO)、リチャード・フォックス氏(国際担当上席副社長)がゲストを出迎える華やかなイベントとなりました。また、本場、ハリウッドの映画関係者のほか、伊原純一(在ロサンゼルス日本総領事)やハリウッドでも活躍されている女優・桃井かおりさん、俳優・マシ・オカさんもご来場いただき、500席を越える場内もほぼ満席の状態。大変由緒あるスティーブン・ジョン・ロス・シアターは熱気溢れました。
舞台挨拶の前に、劇場入口に設けられたレッドカーペットにまずは、バリー・マイヤー氏、リチャード・フォックス氏が登場。その後、役所広司さん、桜庭ななみさん、杉田成道監督が現れました。桜庭さんが真っ赤な振袖姿で登場すると現地取材陣から感嘆の声があがりました。
舞台挨拶は、リチャード・フォックスの監督ご紹介に始まり、監督から役所広司さん、桜庭ななみさんのご紹介。2人の英語での挨拶に場内も盛り上がりました。本編上映中は、各役者の演技に笑い声などリアクションが起こり、場内は一体感に溢れていましたが、終盤以降は、涙を拭う観客やすすり泣く観客も。上映終了時、エンドロール終了まで誰ひとりとして席を立たず、上映終了とともに万雷の拍手、スタンディングオベーションがおこり、喝采は数分間に及びました。本社スタッフも「プレミア上映と言ってもエンドロールで席を立つことはハリウッドでは普通。このスタンディングオベーションは作品が認められたということ」と劇場内の状況を語った。

<レッドカーペット上サウンドバイト>

●役所広司
・アメリカのお客様が日本の時代劇をどう観てくださるか、楽しんでくださるかが楽しみです。

●桜庭ななみ
・ずっとこの日を楽しみにしていました。どう反応してもらえるか知りたかったので楽しみです。

●杉田成道監督
・ちょっと緊張していますけど、同じ人間だからきっと通じるところがあると思う。

●バリー・マイヤー(会長兼最高経営責任者 – CEO)

・由緒あるSteven J. Ross Theaterで、WB Japanが初めて製作した記念すべき作品が上映されますが、今のお気持ちはいかがですか?

マイヤー氏:
興奮している。映画を見れることに興奮しているし、私たちのスタジオのロット内でプレミアをやれることに興奮しているよ。

・あなたはこういった機会に滅多に現れないそうですが、今回のイベントはあなたにとってもとても重要なことなのでしょうか?

マイヤー氏:
この作品はとても重要な作品なんだ。スタジオにとっても、日本のフィルムメイカーとの関係においてもとても重要なんだ。ここに来たかった理由の一つはそのためなんだ。

●リチャード・フォックス(国際担当上席副社長 – ローカルプロダクションの責任者)

・WB Japan 第1回製作作品「最後の忠臣蔵」が、由緒あるSteven J. Ross Theater で上映されるということは、日本の映画関係者、日本の観客にWBのブランド力を強烈にアピールし、今後の邦画製作の追い風になると思います。今後も積極的に邦画を製作していかれるのですか?

フォックス氏:
そうだね。私たちは間違いなくもっと日本で映画を製作することになるよ。日本にプロダクション・チームがいるんだ。日本の映画産業からきた日本で生まれ育った私の同僚たちが、積極的に製作に取り組んでいる。配給と同じようにね。将来が楽しみなんだ。

・今回のイベントが由緒あるSteven J. Ross Theaterで実施されたのはなぜですか?

フォックス氏:
この作品は、予算の大部分を私たちがファイナンスした初めての日本映画なんだ。ワーナー・ブラザースの作品でもここでプレミアをやることは滅多にないことなんだ。でも私たちは自分たちのホームであるこの劇場でやりたかった。さっきも言ったように、この作品は予算の大部分を私たちがファイナンスした初めての日本映画で、ここで上映するに値すると思ったからね。(この作品を)とても誇りに感じているんだ。

●ウィリアム・アイアトン(ワーナーエンターテイメントジャパン株式会社 代表取締役社長)

・WB Japan 第1回製作作品「最後の忠臣蔵」がいよいよ映画の本場、ハリウッドで上映となりますが今のお気持ちはいかがですか。

アイアトン氏:
ここロサンゼルスで作品を紹介出来ることをとても誇りに感じている。ぼくらはここ何年かローカル・プロダクションを手がけてきて、ようやくワーナーブラザースが予算の大部分をファイナンスした最初の作品をアメリカで紹介出来ることをとても嬉しく感じている。

・ずばり(作品が受け入れられる)自信はありますか。

アイアトン氏:
自信とは言えないけど、受け入れてもらうことを期待している。なぜならこの作品には、愛や感情といった多くのユニバーサルなテーマが盛り込まれている。武士道の作法でさえ、その価値観はユニバーサルだと思う。だからここの人たちが作品を気に入ってくれたらとても嬉しいね。
 

<本編上映後コメント>

●役所広司
・一緒に製作に参加した身内(=ワーナー・ブラザースの関係者)に楽しんでいただけたのでうれしかったです。
普通だったらエンドロールで帰ってもいいところで最後まで観てもらってありがたいですね。今日の反応で日本の公開に向けて勇気が沸いてきました。

●桜庭ななみ
・自分の作品が海外で上映される現場に初めて立ち会えたので、観客の反応がよくてうれしかったです。

●杉田成道監督
・心配はあったけど思った以上の反応があった。(笑いが起きるシーンもあったが)伝わるところはちゃんと伝わったと思う。

●リチャード・フォックス

・作品をご覧になって感想はいかがでしたか?

フォックス氏:
とてもパワフルだった。素晴らしい演出と演技だった。撮影した場所もストーリーもとてもパワフルだったね。とても誇りに感じる作品だった。
 
・役所さん、桜庭さんの演技はいかがでしたか?
 
フォックス氏:
素晴らしかったよ。とても感動した。過去にサムライ映画は何度か見ているけど、もう一つの彼らの生活を見るのはね。大石内蔵助の娘を育て上げ、娘を嫁に出すために、孫左衛門がした犠牲についての物語はとてもパワフルだった。この作品に私たちの名前が入っていることを光栄に感じている。

・役所さんはハリウッドでも何本かの作品に出演されていますが、今後もハリウッドで活躍していけると思いますか?
 
フォックス氏:
彼はスターだよ。ハリウッド映画だけでなく、世界中の作品において彼はスターだね。存在感が素晴らしいね。

・桜庭さんは新人ですがいかがですか?
 
フォックス氏:
桜庭さんは最高だった。彼女はすごくよかった。若い女の子から間もなく結婚する女性まで演技の幅が素晴らしかった。大石の娘として孫左衛門への深い愛情を示すバランスは実に見事だった。映画は本当によかった。素晴らしい仕事ぶりだね。
 

・この映画で描かれる「忠義の心」や「武士道」といった思想は、世界の人々に理解されるでしょうか?
 
フォックス氏:
日本や日本人、日本の歴史への好奇心はまだ高いものがあると思う。ぼくらのようにね。上映中はみんなが映画に引き込まれていたね。ぼくらは字幕を読んでいたにも関わらずね。字幕の障害があるにも関わらず観客は完全に魅了されていたよ。

・世界の観客にも楽しんでもらえると思いますか?

フォックス氏:
そうだといいね。でも、まず最初に日本で成功しないとね。そうなることが楽しみだよ。ぼくらは一つ一つこなしていくつもりだよ。これは日本映画だからね。日本の観客がどう反応するかだね。きっとうまくいくと思うよ。ワーナー・ブラザースとして、私たちはこの作品をとても誇りに感じているよ。

・ずばり今日のイベントは成功ですか。

フォックス氏:
そう思うよ。みんなが作品を楽しんでくれたし、とても感動していたからね。パワフルだった。いい反応だったしね。実際、映画館を出る時に、「映画はとてもよかった」と言っている人たちに会った。