益岡徹長篇初主演作、『脇役物語』が今秋より公開される運びとなりました。万年脇役俳優のヒロシ(益岡徹)は、私生活でもいつも脇役。突然訪れた恋に動揺しながらも、人生の主役は自分自身だと気づいていく人生讃歌です。
世界各地の映画祭で賞を受賞した緒方篤による長編初監督の本作。その緒方篤監督が外国人記者クラブにて記者会見を執り行いました。当日は監督ご本人が英語と日本語を同時通訳し、類まれなる才能を発揮した会見となりました。

【登壇者】:緒方篤監督
【場所】特例社団法人 日本外国特派員協会
【日時】8月2日(月)

<コメント>

Q:この映画をどう成功させようと考えていますか?
監督:お客さんが笑う映画というのは、ストーリーが伝わっていることが証明されます。先日も上海でチャイニーズの方々が見てくれましたが、僕が意図したところで笑ってくれました。コメディというのは、国境を越えてたくさんの人が笑ってくれます。興行収入については、みなさんがご家族や友人の方々に声をかけていただけたらと思います。

Q:自殺者が多かったり、家族を殺したり、社会がおかしいと感じる中ですが。
監督:お互いに競い合ったり、嫌いあったり、落胆したり、そういう中でも希望を見出す作品を作りたいと思いました。社会性もありながら、エンターテインメント性も入れた映画を作りたいと思いました。

Q:製作について。
監督:僕の育ったアメリカでは、無名の監督が脚本を書いて、有名な俳優をキャスティングして、それをサンダンス映画祭のようなところに出品し、監督が有名になることはよくあることですが、日本では違います。この映画を作るにあたっては、僕の同窓生や、前からの友人からお金を集め、実現に至りました。

Q:先ほど自殺者の話など社会がおかしい、という話がありましたが、「脇役物語」ではそういった部分は出ていません。おかしいと感じる社会を表現しようとは思いませんでしたか?
監督:僕はそこまでやる必要を感じませんでした。もっと身近なこと、もっと小さなこと、それが大事なことであることに気づいて欲しいと思いました。メッセージを与えるような映画にしようとは思いませんでした。個人の観点を伝えたかったのです。

Q:ソフトウェアの会社を辞めて映画監督の道を歩み、映画人として成功されていますが、どのようにご両親との関係をとられましたか?
監督:会社を辞めたのは昔のことですが、僕はアメリカ人なんだか日本人なんだかよく分からず、「緒方さんはアメリカの人だけど、プレゼンする時にポケットに手を入れないでね」なんで言われたりして、居心地の悪さを感じていました。映像のことは元々学んでいましたし、監督になれば奇抜な格好をしていようと何の問題もありません。監督になり、自分を見つけていきました。親はそんな僕を見て諦めたのか何も言わないようになりましたが、今日も父がこの場に参加してくれています。良かったなと思いました。