7月16日(金)東京都現代美術館において、映画『借りぐらしのアリエッティ』×種田陽平展の開会式が行われ、東京都現代美術館の館長であり、日本テレビ放送の代表取締役会長の氏家齊一郎、スタジオジブリ代表取締役プロデューサー鈴木敏夫、映画『借りぐらしのアリエッティ』の美術監督種田陽平、監督米林宏昌らが登壇した。

たくさんの報道陣を前に、鈴木さんは「映画は、アニメだろうと実写だろうと、後ろにある背景=美術が大事だと思っています。種田さんの映画の中で、『(岩井俊二監督)スワロウテイル』が彼の名を初めて意識した作品でした。その後も他の作品を見て種田さんがいかにすごいかを知っていたので、今回は僕の夢の企画です。宮崎駿監督が描いた美術設定(アニメーション)を作ったらどうなるのか、それを皆さんに是非心置きなく見て、忌憚ないご意見を頂けたらなと思います。」と種田さんをべた褒め。

当の種田さんは、緊張した面持ちで「タイトル”映画『借りぐらしのアリエッティ』×種田陽平展”の意味について聞かれる事が多いのですが、僕なりに考えた所、”借りぐらしのアリエッティ展”というのは、【アニメーションの美術の展覧会】でして、”種田陽平展”というのは【実写映画の美術展】という事で、つまり”アニメーションの美術×実写映画の美術”と解釈しながら進めてきました。アニメにしても実写にしても映画の美術の良さを知って貰いたいのが、一番の思いでございます。ジブリのアニメーションスタッフは皆手書きで、背景の技術を描いているんですね。我々の映画の技術も手作りで小道具や、セットなどを作っているのですごく同じ反時代的=アナログな対決を感じてですね、それがうまく調和されて見て頂けたらと思います。」と挨拶。

中盤には、まるでアリエッティを思わせるような赤い衣装で、映画『借り暮らしのアリエッティ』の主題歌を担当したセシル・コルベルさんが登場。主題歌「Arrietty’s song」を披露してくれた。フランス出身だけに全て日本語の歌詞だった事については、「ムズカシカッタです。」と日本語で答えてくれる場面も。展覧会については「本当に素晴らしい展覧会になっていると思います。いろんな質感とか小物などが忠実に再現されていて、自分自身が10センチの子どもになったような感覚でした。」と絶賛。

そしてサプライズゲストとして、アリエッティの声優を担当した女優志田未来さん、ショウの声を担当し、本展覧会の音声ガイドも担当してた神木隆之介さんが登場。本展覧会について志田さんは、「一つ一つが忠実に再現されていて、本当にすごい!大きい!しか言葉がでて来なかった。」と話してくれた。神木さんは「本当に楽しくてですね、アリエッティの世界に連れていって貰えた気がしました。本展覧会でアリエッティの目線で見た人間界を見れる部分があるのですが、アリエッティが10センチなだけに、ここまで物が大きく見えるとはびっくりで、貴重な体験でした。」と語ってくれた。
 
本展覧会は小人で身長10センチのアリエッティたちの家や庭などを忠実に再現。なので私たち人間を”1”として考えると12倍の世界になっている。人間だとついつい捨ててしまうような物などを、小人たちがどのように使っているのか自分の目で発見して欲しい。例えば切手を絵のように飾るなど、人間だと気づかなく遊び心でいっぱい溢れているのだ。そして、種田氏がこれまでに手げた映画作品の美術の世界も堪能できる。

「借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展」は、東京都現代美術館で7月17日〜10月3日まで開催(月曜休館・ただし7月19日、8月16日・23日・30日、9月20日は開館)

「借りぐらしのアリエッティ」は、7月17日から全国で公開♪