20日(木)の夜、併行部門の“批評家週間”(この部門の上映会場はエスパス・ミラマー)が、一足早く閉幕した。クロージング作品に選ばれたのは、ハリウッドの人気スター、キルスティン・ダンストとジェームズ・フランコの2人が、それぞれ監督した短編作品『バスタード』と『ザ・クラークズ・テール』。自作を携えて現地入りした2人が舞台挨拶に立つと、観客から歓声が沸き、フラッシュの嵐となった。この2作品の上映後、引き続きアワードのセレモニーが行われた。

◆『スパイダーマン』シリーズの共演でも知られる若手俳優キルスティン・ダンストとジェームズ・フランコが、それぞれの監督作品を携えてカンヌ入り!

 子役出身の人気女優キルスティン・ダンストが監督した6分の短編映画『バスタード』は、砂漠にあるモーテルで3人のミステリアスな男たちと出会うカップルの姿をサスペンスタッチで描き、意外かつ明るい結末を迎える作品。出演はブライアン・ジェラティ、ジュノ・テンプル、ルーカス・ハースら。
 イケメン俳優、ジェームズ・フランコが監督した13分の短編映画『ザ・クラークズ・テール』は、詩人スペンサー・リースによる同名の詩にインスパイアされた作品で、高級メンズ・ショップのスノッブな店員のポートレートをスタイリッシュに描いたもの。出演はジョン・ケリーとチャールズ・ダンス。2008年からコロンビア大学とニューヨーク大学の大学院に在籍し、映画製作を学んでいるジェームス・フランコは、上映後も客席に残って、アワードのセレモニーに参加した。

◆2004年の同部門グランプリ受賞監督ジュリー・ベルトゥチェリが、グランプリのプレゼンターとして登壇!

“批評家週間”の授賞式で、グランプリのプレゼンターとして登壇したのは、2004年に監督デビュー作『やさしい嘘』で“批評家週間”部門のグランプリを受賞したフランスの女性監督ジュリー・ベルトゥチェリ。彼女の躍進ぶりは目覚ましく、監督第2作目となる新作『ツリー』は、今年のオフィシャル部門のクロージング作品に選出されている(上映は23日)。
 “批評家週間”部門のグランプリは、アフガニスタンに派遣された2人のデンマーク兵士を追ったヤヌス・メッツ監督のドキュメンタリー『アルマジロ』が受賞した。
(記事構成:Y. KIKKA)