映画祭3日目の14日(金)。“コンペティション”部門では韓国のイム・サンス監督の『ハウスメイド』が、特別上映部門ではオリヴァー・ストーン監督のハリウッド大作『ウォール・ストリート』とメキシコの人気俳優ディエゴ・ルナが監督した『アベル』が上映。“ある視点”部門には中田秀夫監督の『チャットルーム』が登場。

◆1987年に製作された『ウォール街』の23年ぶりの続編『ウォール・ストリート』の公式記者会見場前は黒山の人だかりに!

 朝の8時半からプレス試写が行われた『ウォール・ストリート』は、前作のラストで逮捕された大物投資家ゴードン・ゲッコーが刑期を終えて出所するところから始まり、現在の経済危機を背景にした金融界の物語が展開していく社会派ドラマで、上映時間は2時間16分。今年のカンヌでは数少ないハリウッド大作のため、非常に注目度が高く、11時15分に開始予定の公式記者会見には終映前から記者が殺到。入場できなかった記者たち(カンヌ映画祭の報道陣には歴然たるヒエラルキーがあり、色分けされたバッチによって入場等の優先順位が異なる)の怨嗟の声であふれかえる事態となった。

◆名だたる名優の共演陣とこわもて監督に囲まれて登壇したシャイア・ラブーフとキャリー・マリガンは終始、緊張の面持ち

 開始時間からしばらく遅れて始まった公式記者会見では、若いカップルを演じたシャイア・ラブーフ(金融界で働く青年役で、仕事の恩師を自殺に追いやった相手を追いつめていく)とキャリー・マリガン(父親ゴードンと絶縁状態にある娘役)が、前作でアカデミー賞主演男優賞を受賞し、いまだスターのオーラを放つゴードン・ゲッコー役のマイケル・ダグラスや、ジョシュ・ブローリン、フランク・ランジェラといった名だたる名優の共演陣とこわもて監督に囲まれて登壇。記者会見の間中、緊張しまっくっていた姿が微笑ましかったが、オリヴァー・ストーン監督は、2人の役柄について「前作ではチャーリー・シーン演じる主人公が、高潔さを失ったところからそれを取り戻すまでを描いたが、今作ではシャイア・ラブーフとキャリー・マリガン演じるカップルはモラルを象徴する存在で、彼らの道徳心が試されるんだよ」とコメント。
(記事構成:Y. KIKKA)