6月3日、大森立嗣監督、松田翔太主演『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』の完成披露試写会が新宿ピカデリーで行われ、主演の松田翔太、高良健吾、安藤サクラ、新井浩文、大森立嗣監督が登壇し、舞台挨拶を行った。

 劇中で、安い賃金に劣悪な環境で働くケンタとジュンは、現状から抜け出すべく事務所を破壊し、ケンタに対し執拗ないじめを続ける上司 (新井浩文)の車や事務所をめちゃくちゃにぶっ壊して旅へ出るのだが、この日、会場には実際にぶっ壊すのに使用した大ハンマーが用意され、舞台上に積み上げられた高さ約90cmのコンクリートブロックの山を松田と高良がそのハンマーで力いっぱい振り下ろすと、ブロックは粉塵を起こしながら見事粉々に。映画さながらの迫力ある見事な破壊っぷりを見せた後、松田は「この映画の撮影をするまで感情をストレートに感じることがあまりなかった。でもすごく気持ちいいし、ケンタたちのストレートな生き方はかっこいいと思う。観たら明らかに自分が何かを抱えていることに気づくはず」と本作の魅力について語った。

 また松田と高良が劇中で解体現場のひたすら壁を壊し続ける” はつり”と呼ばれる仕事をしていることにちなみ、二人のサプライズで観客にサイン入りの”ニッカポッカ”プレゼントするはずだったにも関わらず、登場時に持ってくるのをうっかり忘れてしまった高良。「『翔太くんには持たせられないから自分が持つ』と言っていたのに、持ってないですね!」と松田がつっこみ、高良は慌てて恥ずかしそうにニッカポッカを取りに戻ると、劇中と同じくケンタとジュンのような仲睦まじいやりとりに、会場は温かな笑いに包まれた。

※その他の本人たちのコメントは次の通りです。
大森立嗣監督:(タイトルについて)ケンタたちが住んでいるの国は、今のこの日本だ、という思い。最近はゆるい映画が多い中、たまにはグサっと心に突き刺さるものもいいと思う。

松田翔太:観たら明らかに自分が何か抱えていることに気づくはず。今日が思い出の日になる。心して観て下さい。

高良健吾:脚本を読んだらジュンはバカでイヤな奴だったけど、人の顔色を見て動く人間。ケンタがうれしいならジュンもうれしいし、悲しいなら自分も悲しい。切ない人間だと思った。映画館で観てくれて嬉しい。3人の旅を見て下さい。

安藤サクラ:観に来てくれてありがとう。私は今とても幸せです。カヨちゃんはワキガだけど、翔太くんが「ワキガじゃないよ」と言ってくれた。だから自分はワキガではたぶんないです。

新井浩文:ケンタ(松田)とジュン(高良)をいじめるものすごくイヤなヤツの役なので、上映前の舞台挨拶でよかった。本当は松田、高良とすごく仲がいいのに役であんなにいじめた、そのギャップをみてください。