日本とフランスを舞台に、新たな一歩を踏み出す家族の姿を優しく描き出した恵比寿ガーデンシネマにて絶賛公開中の映画『ユキとニナ』。
本作は、国際的にも高い評価を受ける諏訪敦彦監督と、フランスの名優イポリット・ジラルドが5年に及ぶ親交を経て、共同監督として誕生させた日仏の国境を越えた感動作です。

◎1/23(土)16:10の回上映後/恵比寿ガーデンシネマ
◎登壇:諏訪敦彦監督

Q:初日を迎えての感想はいかがですか?

諏訪敦彦監督:(以下省略)
『ユキとニナ』は、僕とイポリット(・ジラルド)と出会った事が始まりでした。
03年からなので、長い時間が経ってしまいましたが、その中で色々な挑戦があったと思います。
長い旅が終わったような感じです。
作ったから終わりということではなく、皆さんに観られることで映画が始まると思っています。
ですが、初日を迎えられて、少しほっとしています。

Q:主人公ユキ役のノエ(・サンピ)ちゃんを選んだ決め手は何だったのでしょうか?

ユキ役は、設定上、日本語とフランス語の2つの言語を話すこと、
8−9歳の女の子であること等の条件が色々ありました。
パリで告知をしたのですが、何十人かの応募がありました。
イポリットと共に演技のテストをしていったのですが、
ユキ役のノエ・サンピは演技の経験はないし、独特の存在でした。
何を考えているのか一見では分からない子でしたので、
不安はありましたが、表情に目線をひきつけるものがありました。
私はノエに賭けてみようと思いました。確信がない中でスタートをしました。
ですが、撮影中色々なことがありましたが、
結果的にはノエが私たちを導いて、リードしてくれたと思います。

Q:共同監督として作品を作った中で、新たな発見はありましたか?

森の中に入っていって撮影するのはとても難しいことなので、
一人だったら森の中に入っていく勇気が持てませんでしたね。
また、当初ユキが一人で家出をすることになっていて、一人では
無理じゃないかと気になっていたのですが、二人なら行けるんじゃないかと
思って今回2人で家出をするというストーリーになりました。
私たちも同じことだったと思います。
二人とも自信はないのですが、「二人だと怖くない!」という感じだったと思います。

Q(観客席から):
ニナ役のアリエル・ムーテルもとても魅力的でした。
アリエルはどんな子だったのですか?

ユキ役が決まったあと、相手の子を、ということで探し始めました。
アリエルが決まった時、ノエとのコントラストが面白いと思いました。
アリエルは、演技テストで相手役のイポリットを追い込む位に即興に対して
強い子でした。彼女は積極的で、演技が好き。感じたことをストレートに出すのが得意な子でした。
劇中でニナのお母さんに「何で離婚したの?」と迫るシーンなんかでも、ガーッとすぐセリフが出てくる。
そういうところが面白い子だと思いました。