『ゲルマニウムの夜』(05)で世界中から絶賛を浴びた大森たつし立嗣監督の『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』が会場の有楽町朝日ホールにて上映されました。上映後、主演をつとめる松田翔太、こうら高良健吾、安藤サクラが大森たつし立嗣監督とともに登壇し、観客とのQ&Aに応じました。なお、会場には松田の母・松田美由紀、兄・松田龍平、安藤の母・安藤和津が応援にかけつけ、傑作の誕生に惜しみない拍手を送っていました。
なお、本作の公開は来年初夏とずいぶん先で、この時期に監督のほか主要キャスト陣がしかも舞台挨拶ではなく一般客とのQ&Aの為に勢ぞろいするのは異例のこと。会場での評判も上々で、主演の松田はじめ、登壇者全員の堂々とした振る舞いに、本作に懸ける熱い思いと自信が感じられる舞台登壇となりました。

◆登壇者:大森立嗣監督、松田翔太(ケンタ)、高良健吾(ジュン)、安藤サクラ(カヨちゃん)
監督:もともとこの映画を撮る前に児童養護施設を舞台にした映画を作ろうと思って取材にも行っていました。友達にも実際に過ごしていた人がいて、その人の書いた文章ももとに脚本を書きました。

松田翔太:この作品に出演できて本当に誇りに思っていますし、監督に感謝しています。(演じた役柄について)自分の身に起きていることではないけれど、ケンタの抱えている、「現状から抜け出したい、だけどそのやり方が分からない」という感情は僕も理解できる点でした。撮影にあたっては、情報が多くて頭で考えすぎてしまうことが今回は望ましくないしやりづらくなってしまうので、旅に出る理由や人物の関係性などをあまり考えないようにすることが苦労しました。情報を入れないこと、考えないことは普段と真逆の作業なので。あとは(高良)健吾との芝居を純粋に楽しむように心掛けました。

高良健吾:(撮影の感想を聞かれて)撮影中はずっと不安があったけど、もともと不安を抱えたり悩んだりしながら撮影に臨んでいたいと思っています。今回はずっと(松田)翔太くんと寝食を共にして本当の兄貴のように思っていました。

安藤サクラ:(撮影で苦労したことを聞かれて)撮影前に監督にちょっと太ってほしいといわれて、6〜7kg太ったら腰がいたくなってしまいました。あとは、高良くんの運転するバイクの後ろに乗るのが怖かったです。下手なダンスを踊るシーンでは、自分がダンスを習っていたので下手に踊ることがとても難しかったです。

2010年初夏、新宿ピカデリー、渋谷ユーロスペース他全国ロードショー