2010年春に公開いたします、豪華俳優陣が共演を果たした行定勲監督最新作『パレード』。
10月14日、日本での公開に先駆け10月8日〜16日に開催されている第14回釜山国際映画祭 でのワールドプレミア上映、また上映に合わせまして、主演の藤原竜也、監督の行定勲、 原作者の吉田修一が釜山映画祭の記者会見&トークショー&舞台挨拶を行いました。

主演は、『デスノート』『デスノート the Last name』が韓国で250館の公開、累計140万 人、10億円の興行収入を記録し、また現在日本で公開中の主演作「カイジ 人生逆転ゲー ム」は3日間で約5億3千万の興行収入(306館)を上げるなど、日韓で圧倒的な支持を得て いる藤原竜也。原作は、最新刊「横道世之介」は日韓同時発売、ほとんどの著書が韓国で 翻訳されており、サイン会を開かれるほど人気のある吉田修一の同名小説。さらに監督は 『世界の中心で愛をさけぶ』(04)が韓国で大ヒット後リメイクされ、『ひまわり』(00)で は、釜山国際映画祭・批評家連盟賞を受賞した、同映画祭の常連の日韓大ヒットメーカー 行定勲。韓国でも特に知名度の高い3人がタッグを組んだ作品ということで、韓国でも 期待値が高く、釜山国際映画祭では大きな注目を集めました。12日、13日、14日に行われ たワールドプレミア上映会は約500人収容の会場、3回の上映が即完売となり、12日の上映 を一緒に観賞した行定監督は、上映後熱心な観客から質問を受けるなど大盛況の幕開けと なりました。また、記者会見場には、朝早くから韓国、日本のマスコミ、ファンが大勢 集まり、終了時間ギリギリまで質問が飛び交い大盛況でした。

映画『パレード』ワールドプレミア 記者会見
■日時:10月14日(水)  ■場所:釜山国際映画祭・パビリオン(特設会場)
■登壇者: 藤原竜也(27)、行定勲(41)、吉田修一(41)

■記者会見の模様

□一言コメント

行定監督:釜山映画祭は6回目ですが、年々盛り上がりを見せる釜山映画祭に圧倒されています。

藤原:昨日の夜は、映画祭のパーティーに招かれ、キム・ドンホさん(釜山映画祭執行 委員長)に”バクダン”(焼酎をビールで割ったお酒)をたくさん飲ませて頂きました(笑)
日本で非常に大変な思いをして出来た作品なので、上映出来てうれしいです。
吉田:「パレード」のワールドプレミアが大好きな釜山で行われることが、 とてもうれしいです。

□質疑応答

Q:吉田さんは、ご自身でも短編を撮られていますが、今回は原作以外の関わりは ありましたか?
また、行定監督は、原作者である吉田さんに言われてはっとしたことはありましたか?

吉田修一さん:行定監督をとても信頼しているので、今回は、原作を渡しただけです。 ただただ出来上がりを楽しみにしてました。
行定監督:吉田さんは懐深く、何の注文もなく原作を預けてくれました。だから余計に 怖かったです。
吉田さんの言葉でおぼえているのは、原作(小説)を読んでテーマを抽出するのが監督の 仕事、という言葉。
ある意味吉田さんからの挑戦状だったと思います。
吉田さんの世界をどう伝えるか、また自分の世界とどう融合させていくかが課題だったが、 完成版をみて吉田さんに満足してもらえてよかったです。

Q:藤原さんより、非常に大変な思いをして出来た作品という言葉がありましたが、 アクションシーンがあるわけではないのにどうして大変だったのですか?
また、行定監督が感じた大変だったことを教えて下さい。

藤原竜也さん:行定監督は、自分、スタッフが納得するまで1カットも決して妥協しない 方です。
以前から強烈に行定監督と仕事がしたかったので、光栄でした。
一瞬たりとも気を抜かない監督についていけました。キャストのみんなも大変だったと 思う。
混沌としたこの世の中が、この作品を引き寄せたんだと思う。
行定監督:藤原君との仕事は初めてでしたが、身体力、演技力がとても優れた俳優。
しかし今回は、そのほとんどを抑圧したので、藤原君は大変だったと思います。
映画を見て頂ければわかると思いますが、その抑制した演技で、なんともない青年を 演じることにより、効果的なラストシーンが出来上がりました。

Q:キャスティングについて教えて下さい。

行定監督:理想的なバラバラなキャスティングが出来た。今の日本を代表する若手が集結 しています。

Q:藤原さん、好きな韓国映画、俳優を教えて下さい。

藤原さん:「オールド・ボーイ」が好きなので、主演のチェ・ミンシクさんが大好きです。

Q:仕事をしてみたい韓国の俳優は?

行定監督:ソン・ガンホさんです。あの生命力は他に類をみない。世界中探してもいない と思う。他にもいっぱいいるので、いつか韓国で映画を撮りたいです。

Q:吉田さんのたくさんある原作の中で、なぜ「パレード」を映画化しようと思ったの ですが?

行定監督:吉田さんとは8年の付き合い。「熱帯魚」を映画化したいと思いそこで 知り合いました。
同じ九州出身で、同じタイミングで上京し、同時代を生きている。
東京のとらえかた、皮膚感を持っていたのが「パレード」でした。

Q:ご自身の著書で映画化したい作品は?

吉田さん:行定監督が撮ってくれるなら、「熱帯魚」を是非映画化してほしいです。

□最後に一言

行定監督:ワールドプレミアという初めての上映が釜山であったことをとても光栄に思う。
「パレード」はある意味意外性があり、自分の中にひっそりとある闇を感じられる映画です。
一見、青春映画に見えますが、僕は恐怖の映画だと思っている。
その恐さが何かをスクリーンで確認してください。

藤原さん;日本で撮ったものが韓国で上映されて、とても光栄です。
みなさん宣伝よろしくお願いします!

吉田さん:原作で描きたかったものを、驚くほど的確に描いてくれた。
犯罪が絡む映画ではありますが、演者の品格、色気がすごくうまく表現出来ている。