9月21日(月・祝)、川崎市・新百合ケ丘にて開催中のKAWASAKIしんゆり映画祭にて、『SR サイタマノラッパー』が上映され、入江悠監督によるゲストトークが行われた。

KAWASAKIしんゆり映画祭は、市民のボランティアスタッフが運営の中心となり、それを行政がバックアップしている市民映画祭。若手監督を応援しつづけてきた映画祭。本作は「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2009」オフシアターコンペティション部門グランプリ受賞、つづく「第13回プチョン国際ファンタスティック映画祭」ではNETPAC AWARD(最優秀アジア映画賞)に輝いた。全国のミニシアターで劇場公開もされた本年の話題作として“New wave Japan”特集の1本としてしんゆり映画祭で上映された。

会場である川崎市アートセンターを訪れた入江監督は「なんだか会場にアカデミックな香りがしますね(笑)」とコメント。自身の故郷・埼玉を舞台に制作した本作について、「とても個人的な理由で作ったので、(映画祭で賞をもらうなど)こんな反応があるとは思っていなかったです。映画を作りたいと思って上京して10年、作って何か見えたらと思って。『SRサイタマノラッパー』は思い切りやりたいようにやりました」と語った。

地元の深谷を描いた事については「反対されることも正直ありました(笑)。でも当時19歳のぼくからみた深谷はこうだった。それを美化する訳にはいかないと、その印象のまま描かせていただきました」と語ったが、その“印象”に監督が正直になったからこそ、多くの観客の共感を得ているようだ。
ティーチインの時間には積極的に質問があり、終了後も川崎市在住のラッパー青年が監督に感想を伝え交流する様子がみられるなど、映画祭ならではの一幕も。
“New wave Japan”の1本として、充実した上映となった。