第13回富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭では、オフシアターコンペ部門グランプリの『SR サイタマノラッパー』を含むゆうばり映画祭関連の4作品が上映された。

《上映作品》
・ゆうばり映画祭2009オフシアターコンペ部門審査員特別賞を受賞大畑創監督『大拳銃』
・ゆうばり映画祭2009オフシアターコンペ部門ノミネート光武蔵人監督『サムライアベンジャー/復讐剣 盲狼』
・フォーラム部門スペシャルで上映された田口清隆監督『長髪大怪獣ゲハラ』

世界中から集まったファンタ映画と共に上映された各作品と映画祭に参加された監督たちの様子をレポート!!

■7月21日『大拳銃』上映 大畑監督・宮川ひろみさん(出演)Q&A登壇■
今年のゆうばり映画祭オフシアターコンペ部門で審査員特別賞を受賞した大畑創監督の『大拳銃』がPUCHON CHOICE:SHORT2内で上映された。
上映終了後には、大畑監督と出演の宮川ひろみさんが登壇しQ&Aに参加した。
ラストの見せ場である車の爆破のシーンはどのように撮影されたのですか?という質問に対し、大畑監督は「ラジコンカーを僕の自宅で爆破させました(笑)」と答え会場の笑いを誘った。また16mmの独特の映像の質感に対して、予算が足りなかったからですか?との質問に「安っぽく見られないように知恵を出し合ってやったつもりです。でもやっぱり安っぽく見えましたかね?」と笑いながら逆に観客に問いかける一幕もあった。
過去に影響を受けた作品はありますか?との問いには、「幼い頃から80年代のアメリカ映画を見ていました。特に『ロボコップ』が好きでした、見えない部分で影響を受けていたかも知れません。アクション映画にある、真剣なユーモアさや、媚びていないユーモアを表現したいです。」と語った。
PUCHON CHOICE:SHORT枠では『大拳銃』を含み12作品が映画祭期間中上映された。

また、『大拳銃』はPFF2009の審査員特別賞を受賞している。

■7月22日『長髪大怪獣ゲハラ』上映 田口清隆監督Q&A登壇■
ゆうばり映画祭2009年フォーラム部門スペシャルで上映された田口清隆監督の『長髪大怪獣ゲハラ』がFANTASTIC SHORT FILMS6部門で上映された。
上映終了後のQ&Aに田口清隆監督が参加、明らかに他作品とは違った色を放っていた本作、上映中には会場中から笑いが起こりQ&Aでも沢山の質問が寄せられ、海外からの日本の怪獣映画や特撮映画といったジャンルへの関心の高さが伺えた。
映画の最後に予告編が流れただけに会場からは当然のように続編はあるのですか?との質問が、田口監督は「予算があればやりたかったけど、ゲハラはこれで終わりです。」と次回作を期待されただけに申し訳なさそうに答えた。なぜ髪の毛の怪獣なのか?という質問に対しては「子供たちが絵に出来るような怪獣にしたかったんです。撮影中は毛が飛び散って大変でしたけど(笑)」と答え笑いを誘った。

■『サムライアベンジャー/復讐剣 盲狼』 光武蔵人監督・柳本千晶プロデューサーQ&A登壇■
WORLD FANTASTIC FILM部門でKOREAN PREMIERE として『サムライアベンジャー/復讐剣 盲狼』が上映された。
アメリカから上映に合わせて駆けつけた光武蔵人監督と柳本千晶プロデューサーがQ&Aに登壇した。
ゆうばり映画祭以外の海外映画祭で上映されている『サムライアベンジャー/復讐剣 盲狼』。サムライ映画という事もあり海外からの注目度はやはり高い。
18歳からアメリカで生活を送っている、光武監督。サムライ衣装のレンタルの話から、監督の作品を作っていく上での思いを熱く語った。
Q&A終了後には、映画祭の撮影クルーからのリクエストで「今まで参加した中でも最高の映画祭です。特にボランティアの方たちが素晴らしい。」とコメントを寄せていた。

映画祭期間中は、各監督とも作品を鑑賞したり、ゲストとの交流を深めつつ韓国を満喫していた様子であった。

(Report:大野恵理)