『人間失格』『ヴィヨンの妻』『斜陽』などで知られる、文豪 太宰治。彼の主要作品の一つ『パンドラの匣』を映画化し完成披露試写会が16日、シネセゾン渋谷にて行われ、染谷将太、川上未映子、仲里依紗、窪塚洋介と、音楽を担当した菊地成孔、冨永昌敬監督が登壇した。

Q:現場での思い出は??

(染谷)「撮ってたのが去年の10月末からで、現場は宮城県だったんですけど、廃校になった小学校を療養所に改造していて、完成度の高い現場で自分の力を発揮するんだと思うと、すごくうれしく興奮しました。」

(川上)「映画はもちろん監督の言う通り動く。いつもは”単語”の気持ちにすごくなれた実感があって、やっている時は、自分もよく分からなかったんですけど、試写で拝見した時本当に想像してなかった物語が立ち上がって、音楽も素晴らしく、一種の魔法みたいに感じました。すごく楽しい現場で、いろいろ勉強になりました。」

(仲)「(仲さん演じる)マア坊はニコッと笑うと金歯が光るのがチャームポイント。でもその金歯がすごく痒かったんですよ。痒かった思い出がありました。個人的な思いでだったんですけど・・・撮影は、アットホームで、皆さんとすごく仲良くなれたし、初雪も見ました!!。」

(窪塚)「皆それぞれの本質みたいな自分自身のどんなに役を演じても、作っても、”変えようのない芯”みたいなのが、すごくそれぞれの役に生かされていて、それをいい形で菊池さんの音楽と監督の采配で、太宰宰の世界を作り上げるという事に仰天してるんですけど、それをすごく生かしあって、お互い良い感じになっていると思うので、意識して見てもらわなくても、きっと自然と太宰宰の世界に遊びにいけると思うので、現実と離れて、当時の結核病棟の話ですが、すごく希望のあふれる作品で、原作を読んで一番最後に、すごく考えさせられ、思わずメモをとってしまうようなあったりしてしまうなど・・・何言ってるか分からないんですけど、楽しんで頂ければなと思います。」

〜メッセージ〜

(染谷)「淡い恋や死と隣合わせの状況や、人の生き様など色々な物が詰まっていて、何も考えずに受け止めて見てくれればと思います。」

(川上)「映像も音楽も、美しいので何度も見て頂きたいなと思っています。宜しくお願いします。」

(仲)「おしゃれな作品になってるので、見てる自分に酔って、何回も見て”オシャレ度”を上げて下さい。」

(窪塚)「一番最初に療養所を退院する役ですが、『お前まだ治ってないだろう』という結核さ加減の演技など注目して、楽しんで頂ければと思います。」

(菊池)「キャストの皆クールに今立っていますが、見たら衝撃を受けると思います。宜しくお願いします。」

(監督)「太宰作品の中には、いくつか実話をモデルにした作品があって、『パンドラの匣』もその中の一つの作品。”健康道場”は、実在していて、登場人物達のモデルになった人達がいて・・・(染谷将太演じる)ひばりと同じように、健康道場で自分の暮らしを日記で書きとめてた人がいました。その方は、太宰のファンで自分が死んだらその日記を送ってくれ、そこから太宰は書き始めたんです。太宰はその日記に大変感動したらしく、そこで、感銘受けた気持ちを我々はそうして書かれた『パンドラの匣』を同じ気持ちで”映画にしたい”と思い、作りました。最初から最後まで違いますが、できたての作品をじっくりご覧ください。」

映画『パンドラの匣』は10月よりテアトル新宿ほかにて全国公開!!

(Report:長島美秋)