人気作家の瀬尾まいこの小説を、『夜のピクニック』など青春映画の名手、長澤雅彦が監督した『天国はまだ遠く』が11/8(土)よりシネセゾン渋谷他全国順次公開中です。
ヒロイン千鶴役は『夜のピクニック』や『デトロイト・メタル・シティ』等、映画やテレビで活躍中の加藤ローサ。千鶴を静かに見守る田村に、今回が映画俳優として本格デビューとなるチュートリアルの徳井義実。
せつなくも温かい大人の恋愛ファンタジー映画が誕生しました。

この度、映画の公開記念として、エンディングテーマ「こと」を歌う、熊木杏里さん、「のだめカンタービレ」や『神童』などでもピアノを担当した清塚信也さん、長澤雅彦監督によるトークショーを行いました。

監督:映画というのはエンドロールが大事で、そこでかける曲も大切にしました。熊木さんの「春の風」がすごく良い曲でずっと聴いたので、今回は熊木さんにお願いしたいと思ってました。

熊木:原作も読んでいたので、この作品に曲を書きたいと思ってました。ちょうど、この映画に対して曲を作ろうかなと思っていた時に、「こと」のデモレコーディングをしていて、“この曲が一番ピッタリ合う!”と思って監督にお話しました。清塚さんと私は同じ年なんですよ。クラシック界の人とは思えないほど、気さくにお話できました。

清塚:長澤監督の作品を通して、アーティストとして(熊木さん)と出会えたことが幸せであり、光栄でした。主張し合うというよりは、溶け合う感じの音楽が表現できたと思います。普段は、生演奏でお客様にピアノを披露することが多いのですが、今回は映画を通じて(僕の)音楽を(皆さんに)伝えられました。映画音楽は、楽しくて深く、新しい芸術の一つですね。

熊木:全編にわたって清塚さんの音楽が柔らかく響いていますよね。

清塚:今、でまわっているようなインパクトの強い音より、生音とか、耳をすませて五感をフルに使ってはじめて分かる音を大事にしました。

熊木:映像も綺麗ですし、音も自然に入ってくるくらい心地良いです。ぜひ最後までゆっくりご鑑賞下さい。

清塚:フランスの印象派の絵画を見るように、五感を研ぎ澄ませて鑑賞してみてください。

監督:音楽は映画の生命線のようなもので、特に今回は繊細な音楽になっているのでそこも楽しんで下さい。