2009年、人類が初めて月に降り立ってから40年。サンダンス映画祭をはじめ数々の映画祭で賞を受賞した、一大感動エンタテインメント作品『ザ・ムーン』が、いよいよ来年1月に公開されます。
公開に先立ち、本作に登場する、人類で初めて月に降り立ったアポロ11号のクルー、バズ・オルドリン博士の来日記者会見行われました。ニール・アームストロング船長と共に、人類で初めて月に降り立つという偉業を成し遂げたバズ・オルドリン博士。今もなお、現役宇宙飛行士たちから別格の”神”として称えられる偉大なヒーロー。アポロ計画から40年以上経った今でも、月に降り立った宇宙飛行士は12人しかおりません!
ディズニー映画『トイ・ストーリー』の宇宙ヒーローキャラクター、バズ・ライトイヤーのモデルにもなっているオルドリン博士は、本作を「特別な作品」と考えており、この度異例の、映画プロモーションのための来日となりました。

博士:これだけ多くの方々にお集まりいただき、この映画に対するマスコミの関心の高さを実感し、大変嬉しく思っております。今年のNASA50周年に続き、来年はアポロ計画の月面着陸から40年になりますが、それに向けてとても幸先が良いと感じています。アームストロング船長、私、マイク・コリンズを初めとする、月へ行った宇宙飛行士達は、丁度良い時期に良い場所にいて、人類初の月面着陸という経験が出来たので、その幸運に感謝しています。

MC:アポロ計画から40年以上たった今でもまだ月に降り立った人は12人しかいません。これについてどうお考えですか?

博士:450〜460人以上の人が地球の周りを回りました。月に行ったのは24人です。アポロ11号が月に着陸するまでに2つのミッションが月へ向かいました。1つ目は着陸船無しで司令船のみ、2つめは着陸船を乗せた司令船が月へ向かいました。それぞれが、アポロ11号の成功に不可欠なミッションでした。たまたま私達がアポロ11号に乗って、月面着陸に成功しました。実際に歩いたのは12人、向かったのは24人ですが、この12人に差は無いと思っています。24人全員が、そして全人類が、宇宙に向かって広がりを持つきっかけを作ったのだと自負しておりますし、とても誇りに思っています。

MC:本日は子供記者の方々にもお集まり頂いておりますので、子供記者の方のご質問からお受けしたいと思います。

記者:月に行く前と後で、宇宙に対する考えが変わったことはありましたか?

博士:我々が月面着陸に成功して、ますます宇宙開発のスピードは加速していくだろうと予想していました。しかしアポロ計画以降、スペースシャトルや宇宙ステーションに移行し、フレキシブルな計画はありませんでした。6年間、一度もアメリカ人が宇宙に行かないという時期もありました。その間、ソ連は数々の宇宙ステーションを作りました。一つの計画から次の計画に移行するのは大変難しいのです。幸いなことに、1人乗りのマーキュリー計画と、3人乗りのアポロ計画の間に、ジェミニ計画というものがありましたが、この移行はとてもスムーズに行われました。一方でコロンビアの事故もありましたし、スペースシャトルから宇宙ステーションへの移行は大変難しかったと思います。これからは、開発のスピードが加速して行くことを願っています。今回、アメリカの大統領が代わるにあたって、宇宙開発計画について私達も経験者として的確なアドバイスができれば良いと思います。そして、これからの計画がより潤滑に、よりエキサイティングに進むことを願っています。