第30回ぴあフィルムフェスティバル(2008年7月19日〜25日)「PFFアワード2008」にて、グランプリを含む3冠を獲得した『無防備』・市井昌秀監督が、第13回釜山国際映画祭<2008年10月2日(木)〜10月10日(金)
のコンペ部門「ニュー・カレンツ」で、最高賞に当たる「ニュー・カレンツ・アワード」に輝いた。今回唯一の日本からの出品作品であり、アジア新人発掘の場として定評のあるコンペティションでの自主制作映画の受賞は快挙です。

●釜山(プサン)国際映画祭とは?                         
今年で13回目を迎え、60カ国以上の国々から出品された315本の作品が上映された。日本からも、『グーグーだって猫である』(犬童一心監督)や、『ハッピーフライト』(矢口史靖監督)が招待上映され注目を集めた。「ニューカレンツ(New Currents Award)」部門は、釜山国際映画祭での唯一のコンペティション部門であり、毎年アジア映画の中の若い才能に賞を与えている。アジア映画の新人発掘の場として定評があるが、自主映画である『無防備』が出品されることは異例のこと。
今年の審査員はアンナ・カリーナ(女優)、サミラ・マフマルバフ(映画監督)、サントーシュ・シヴァン(映画監督)、イ・ファシ(女優)、カール・バウムゲルトナー(プロデューサー)

<市井昌秀監督 コメント>
妻や子供、スタッフ、キャスト、両親を含む無防備に関わった全ての方々に感謝します。まだまだ未熟ですが、良い所も悪い所も含め、きちんと人間を描いていけるよう努力します。ありがとうございました。

<審査委員長 アンナ・カリーナ コメント>
リアルで一体となった演出と役者の演技。妊娠、出産というテーマを、独特のスタイルによる美しい映像で語
った素晴らしい作品。

■映画『無防備』
第30回ぴあフィルムフェスティバル「PFFアワード2008」グランプリ&技術賞(TBS)&GyaO賞(USEN)受賞
『無防備』(むぼうび) 監督:市井昌秀(いちいまさひで)  (2007年/88分/カラー) 
郊外にぽつんとあるプラスティック工場。ベテランの律子は新人の妊婦・千夏の指導にあたるが、辛い体験と現在の不幸をつきつけられるようで動揺し、悩む。大胆な演出と緻密な映像で女の心のざわめきを見事に活写する。

※ぴあフィルムフェスティバル(PFF)とは?
「映画の新しい才能の発見と育成」をテーマに、自主制作映画の面白さを広く伝えるため、1977年にスタートした映画祭です。映画祭のメインであるコンペティション部門「PFFアワード」には毎年600〜800本の作品応募があり、入選作が東京を始め、全国で開催されるPFFで上映される。また、入選作品の海外映画祭への出品も積極的に行っている。これまでに森田芳光、犬童一心、黒沢清、矢口史靖、橋口亮輔、李相日、荻上直子など現在第一線で活躍中の映画監督を60人以上輩出している。