心優しいブサイク男が、着ればハンサムに変身するというスーツを身に纏ったところから全ては始まる。目の覚めるようなハンサムに生まれ変わったその男は、今までの人生になかったようなバラ色の人生を体験していくのだが・・・

映画『ハンサム★スーツ』がいよいよ完成。公開に先駆け、6日(水)に完成披露試写会が開催。英勉監督はじめキャストたちが勢ぞろいした。

誰が観てもブサイクな男<琢郎>を演じたのは、脚本家の鈴木おさむが「この人しかいません!」と一押ししたという塚地武雅(ドランクドラゴン)。当日も司会者から“ブサイク”を連発され、「こんなに第一声を発するまでにブサイクを連発されたのは初めてで戸惑っています(苦笑)。まぁ、ブサイクがたくさんいる中で選ばれたブサイクということで、それをブサイクなりに理解して、ブサイクな演技を、ブサイクなスクリーンで観てほしい!」と一息もつかず吐き出すと、ほかのキャストたちから「スクリーンはきれいですよ」と冷静なツッコミを受けていた。

ハンサムスーツを身につけた後の姿<杏仁>を演じたのは、容姿端麗、低く響く声も魅力的な谷原章介。意外にも本作が映画初主演となる。「単独ではなく、塚地さんとW主演なのでずいぶん助けられましたよ。現場も笑いに溢れていました。僕はふざけてばかりでしたけど……(苦笑)」とコメントし、「塚地さんの行動はとてもハンサム。現場での佇まいもハンサムでした」とベタ褒めすると、当の本人・塚地も「えー!!」と驚きの声をあげた。

そんな二人(同一人物だが)から好かれるヒロイン役の北川景子が、「現場はとても楽しく和気あいあいとしていましたね。もし<杏仁>のようなハンサムな男性になれたら、変装も何もせずに街を堂々と歩きたい。そして普段はとらないようなポーズを決めたいです」と笑顔で答えると、谷原が「僕は北川景子になりたい!」と発言し、周囲を沸かせた。

キャスト3人とは別に、ラブラブな空気を終始漂わせていたのは出演者である大島美幸(森三中)と本作の脚本を担当した鈴木おさむ。途中、鈴木が大島の頭をナデナデする光景が見受けられたり、大島のタイツを指差し「網タイツですよ〜。ハムみたい」と茶化すと、大島も負けずに「これをおかずにしてるのはあんただろ!」と応戦、おしどり夫婦ぶりを見せつけた。それには塚地を黙っていられず「新婚さんいらっしゃい!みたい(笑)」と一言。
ようやく脚本家の顔に戻った鈴木は、「ちょっとハッピーになれる、なかなかない邦画になったと思います」と映画もPRもしっかりこなし、夫と脚本家2つの面子を守ったようだ。

笑い声が響きあう舞台挨拶は順調に進んでいるように見えたが、最後に「ハンサムで得したところ、ブサイクで得したところは何?」との質問に、谷原が「こちらから行かなくても向こうから(ナンパ)来ます。この外見のおかげでこのような映画の主演もやらせていただきましたし、本当に両親に感謝です!」とジョーク交じりで答えると、みるみる表情が曇っていく塚地は、「ブサイクで得したこと……1つもねーよっ!!」と吐き捨て、しかし「ブサイクだからこそ、何かほかの力でモテようと思ってお笑いの世界に入ったんだー!」と叫ぶと、観客から多くの笑いと拍手が送られた。

(Naomi.kanno)