国内外のデジタルシネマの新しい才能を発掘し、次世代映像産業の発展に貢献すべく始まったSKIPシティ国際Dシネマ映画祭の5周年特別企画として、過去の映画祭短編コンペティション部門で受賞経験がある熊坂 出監督と筧 昌也監督、本年の長編コンペティション部門審査委員長を務めているプロデューサー、ダニー・クラウツ氏を招いてのトークイベントが開催された。

筧監督は『Sweet Rain 死神の精度』(主演:金城武、ワーナー・ブラザーズ配給)で、また熊坂監督は『パーク アンド ラブホテル』が第58回ベルリン国際映画祭で最優秀新人作品賞を受賞し、両監督とも今年劇場長編映画の監督としてスクリーン・デビューを果たし注目されている。イベントの冒頭では2005年の短編コンペティション部門に出品された『ロス:タイム:ライフ』(筧昌也監督)と『珈琲とミルク』(熊坂 出監督)も併せて上映された。

トークショーでは、両監督の短編制作のきっかけから、長編制作に至るまでの経緯や、苦労話など、他のインタビューでも聞けないような本音も飛び出し、観客は興味深く聞き入っていた。
また、ダニエル・クラウツ氏は「新しい才能の発掘方法は1000以上ある、才能がある人は遅かれ早かれ参入するのだからできるサポートをしたい」と話し、これから2本目を撮る2人の監督に「2本目が大事でプレッシャーもあると思うけど、ここはとにかくリラックスして、あせらず、最初のオファーに飛びつかないこと」とアドバイスを送った。

最後に熊坂監督は「映画祭は人と知り合えるかなり貴重な機会なので末永くがんばってください」。筧監督からは「少しでもお友達を誘って、近くの方を映画祭に呼んで映画を観る環境を増やして輪を広げてもらえれば僕らも色々な作品作りが広がるんで。」と本映画祭にエールを送った。

(Report:Miwako NIBE)