人は、誰かの命とひきかえに幸せを手に入れる事ができるのだろうか。
生と死の狭間で揺れる刑務官の姿を描いた映画『休暇』は、我々に複雑な疑問を投げかける骨太で感動的な人間ドラマ。
今日7日(土)に公開初日を迎え、小林薫、大塚寧々、大杉漣、柏原収史、門井肇監督が有楽町スバル座にて舞台挨拶を行った。

主人公のベテラン刑務官を演じた小林は「監督がそれぞれの登場人物にかたよらず、淡々と描いたのでウェイト感がとてもいい作品です。それぞれの人生が段々交差するような、抑制のきいた群像劇です。まだ監督も若いですし、また一緒に仕事ができればいいなと思っております。」と挨拶。
その妻役の大塚は「撮影は去年の11月頃に行いました。観た時は静かだけれども、残るものが強く、ジワジワと心に響く映画です。」とアピール。
門井監督は、実家の米屋で働きつつ17年目にして2作目となる本作を完成させた。有楽町スバル座は、戦後間もない1946年創業の老舗であり、そこで公開初日を迎えられる事について「やっと17年がかりでこの有楽町にやってこれたなという思いです。」と喜びを語った。
意外な事に、小林と大杉の共演は今回初。小林は「非常に奥行きのある俳優さんです。」と褒め、前作も門井監督作品で主演をつとめた大杉を照れさせた。
多すぎは「まだまだ僕は駆け出しのような気持ちなんです。」と心境を語った。
撮影のロケ地は山梨であり、実家が山梨という柏原は「現場から実家が15分までの距離だったので、撮影中は実家から通いました。既に試写や山梨先行公開などで4回目の舞台挨拶なのですが、やっと全国公開できて嬉しいです。」とコメントした。

(池田祐里枝)