5月19日(月)に映画『ラストゲーム 最後の早慶戦』の大隈講堂試写会が行われた。先日、5月15日(木)に慶應大学三田キャンパスにて舞台挨拶付き試写会が行われたが、今回は早稲田大学大隈講堂にて開催された。渡辺大・柄本佑・原田佳奈・宮川一朗太・神山征二郎監督・松尾俊治(慶應大学OB)・白井克彦早稲田大学総長・岩本憲児・安藤紘平教授の多くのゲストが参加した。さらに、なんと早稲田大学の卒業生である、森喜朗元首相も舞台挨拶に参加した。

本作を見た森喜朗元首相は、
「こんなに涙を流したことはない。隣に家内がいたが、ハンカチが涙でぐしゃぐしゃになった。早稲田大学の伝統、歴史、先輩たちが行った大きな役割、戦争の虚しさを感じた。この映画で、平和というもの、学生というもの、早稲田大学というもの、色々なことを教えてもらった。」と絶賛した。

神山征二朗監督は、本作では、可能な限り戦争時代のことを描かれているようにしたという。先日、慶應大学にて本作の試写会が行われたが、
「先日の慶應大学での試写会の終わった後に、大学内のロビーにいたら、女子学生が私の元にかけてつけ、握手を求めてくれ嬉しかった。私は映画に携わって35、36年目だが、こんなことは初めてだった(笑)。」というエピソードを語った。当時の戸塚球場は長野県上田市で撮影が行われたが、その撮影所を探すのに苦労したということも明かした。

本作での主演を務める、渡辺大は、
「僕自身、特技は〔野球〕と書いてあるが、出演している多くの人は、甲子園出場をしている人など、練習中は身を小さくして人の邪魔にならないようにした。野球経験だからこそ出てしまう癖があり、長野の撮影所に入ってからもずっと話し合った。その当時の早慶戦も見て、観察し、色々な動作を簡略化されぬようにやった。僕らは、野球を好きな時にやめられて、違うチームに移動したこともあった。小さい頃の野球の姿勢は本当に自由であったと感じた。野球をやりたいのに出来なくなってしまう辛さをヒシヒシと感じた。長野県の上田で去年の11月ごろに撮影をしたが、その時期は珍しく冷え込み、雪が降るほどであり、風邪をひかぬよう万全にした。早慶の名に恥じぬよう演じた。」と、本作の撮影に関して語った。

原田佳奈は、
「野球部員たちのマドンナという存在だけでなく、残された女たちのやり場のない悲しみを、ある種代弁するように意識した。祖母に当時のことを色々聞いたりした。」と本作の役つくりに関して語った。

早稲田大学出身である宮川一朗太は、
「現場にいきましたら、石坂さんや、三波さんは慶應大学出身なので、現場でも早慶戦をしていた(笑)。一人も銃弾を撃つことのない戦争映画。僕にとっての先輩たちがどんな想いをしてやっていたのかなど、同じ想いを共有してほしい。」

柄本佑も同じく早稲田大学出身である。柄本佑の父親である、柄本明も本作に出演している。
「資料を読み、話を聞きながら演じた。僕自身(戦争)経験はないので、想像しながら演じた。父(柄本明)とずっとここまで長い時間現場にいたのは初めてだった。現場ではあまり僕に触れてはこなかったが、とても緊張した。」と、親子での共演に関し話した。

当時の慶應大学のOBである松尾俊治は、
「最後の早慶戦。本当に(あの当時)そう思った。皆泣きながら、応援歌を歌い、皆で校歌を歌い続け、球場に響き渡った。あの一体感は本当に感動した。」とその当時のことや当時の早慶戦について話した。

そんな歴史・伝統ある早慶戦。その開催の日は近い。
本作『ラストゲーム 最後の早慶戦』は、8月全国ロードショーである。

(Report:大倉真理子)