アスミック・エース配給『重力ピエロ』は、3月30日、宮城県刈田郡蔵王町・蔵王エコーラインにてクランクインいたしました。
その後、4月中旬より、物語の舞台ともなっている仙台市並びにその近郊に撮影場所を移して、現在、快調に撮影が進んでおります。
桜の季節からはじまり、緑鮮やかな6月上中旬までと、約2ヵ月半にわたる撮影を予定。
その撮影の合間を縫って、監督・キャストが、意欲たっぷりに想いをお伝えします。

●森淳一監督コメント
仙台は、都会も撮れるし、ちょっと行くだけで自然も撮れる凝縮された街で、撮影に関してとても助かっています。
作品を創る上では、原作のセリフまわしをなるべく残し、映像の美しさへのこだわりよりは、物語を伝えやすく作るということを心がけています。

※キャスティングに関して
加瀬さんは、自閉症の若者役をテレビドラマで演じていたのを見てからお仕事をしたいと思っていました。
また、弟の春役はずっとイメージに合う方がおらず探していたのですが、ある映画作品を観て岡田さんを知り、ぜひお願いしたいと思いました。
小日向さんは、まだ自分が助手の頃に、テレビドラマのお仕事でお会いしたことがありました。
ゲストとしてワンシーンの出演だったのですが、小日向さんが現場に入られてセリフを言った瞬間に、現場の雰囲気がガラっと変わったんです。それからこんな魅力的な方とお仕事をしてみたいと思っていました。
鈴木さん演じる母親役は、演じなければならない年齢の幅も広いし、いつまでも美しい女性でなければならないという難しい役。鈴木京香さんならそれを演じていただけると思い、お願いいたしました。

●加瀬亮コメント (兄・奥野泉水役)
森監督の『TOYD』という作品を観てから、ずっと一緒に仕事をしたいと思っていたので、今回ご一緒できて嬉しく思っています。撮影も順調に進んでいます。
仙台は、東京都とは何かか違う、とらえどころのない魅力的な街だと思います。

●岡田将生コメント (弟・奥野 春役)
兄役の加瀬さんと一緒に演じながら勉強させてもらっています。もともと原作を読んでいて、「春」という人物をとても魅力的だと思っていたので、オファーが来たときは嬉しかったです。
この役は”矛盾”をテーマに、兄に見える顔と、見せない顔を意識して演じています。
また、「春」は左利きというイメージをもったので、左手で書いたり食べたりする練習をして役にのぞんでいます。

●小日向文世コメント (父・奥野正志役)
今回は、鈴木京香さんの旦那役ということで、すぐに引き受けました。『UDON』でも夫婦役を演じさせていただいていて、不思議なご縁を感じています。
レイプされてできた子供を育てようとする父親役にリアリティをもたせるにはどうしたらいいかに気をつけて演じています。
おそらくこの父親は、スーツを脱いだら(天使の)羽が生えいているような人物なのだと思います。
“人をどこまで愛せるか”ということを大事に演じています。

●鈴木京香コメント (母・奥野梨江子役)
仙台出身なので、自分の知っている街でお芝居ができるということに幸せを感じています。
(途中で亡くなってしまう役ですが)息子たちがこの街でどんな風に成長していくかを見るのが楽しみです。
今回は、他のキャストの方が魅力的ですし、とても魅力的な母親役でしたので、お引受けしました。

『重力ピエロ』

■ストーリー
兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があったが、努めて陽気に振舞い、負の重力に負けまいと生きてきた。
心の奥底にしまってあった過去の記憶・・・兄弟が大人になった頃、事件は始まる。
連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現、そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。
謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは—。

■作品概要
監督:森淳一/脚本:相沢友子/原作:伊坂幸太郎 『重力ピエロ』(新潮社刊) ※2003年第129回直木賞候補作
制作:アスミック・エース エンタテインメント、ROBOT/配給:アスミック・エース
出演:加瀬亮 岡田将生・小日向文世/吉高由里子 岡田義徳 渡部篤郎/鈴木京香 他

■配給:アスミック・エース
■公開:2009年≪春≫ 全国劇場公開