ここ数年、テレビ・映画で立て続けに取り上げられ、話題と人気を呼んできた落語エンタテインメント作品の“真打”と呼べる作品『落語娘』がついに完成。
14日、本作の完成披露試写会が開催され、様々な壁に突き当たりながらも、ひたむきな落語への思いで道を切り開いていくヒロイン・三々亭香須美を演じ、約3年ぶりの映画主演を果たしたミムラが舞台挨拶を行った。

「久々の映画主演で、しかも落語家の役なので、最初はとても緊張してプレッシャーも感じましたが、津川雅彦さんとご一緒できるチャンスを逃すわけにはいかないと思って(笑)。撮影初日は、プレッシャーと楽しみな気持ちでいっぱいでした」
本作では、津川とミムラは落語界の師弟関係を演じている。津川が演じた三々亭平佐は、実力がありながらも破天荒で奔放すぎる生き方が災いし、落語界の異端児とされているが、ミムラは「平佐師匠くらい強烈な人なら、男気もあるし“嫌だ、嫌だ”と言いつつも惹きつけられちゃうかも」とにっこり。

尊敬してやまないという共演者・津川雅彦について、
「ドラマでご一緒したことがあるんです。当時、私はまだこの世界で右も左もわからない状態でしたが、津川さんが先輩として色々なことを教えてくださって。またご一緒できるなら、少しでも成長した姿をみせたいと思っていたので、このお話がきたときはうれしかったですね。撮影中は、津川さんがいつでもドンと構えていてくれたので、私はそこに飛び込むつもりで演じました」と語った。

また、全く知識のない落語をマスターするためにミムラが実践したのは、ひたすら自主トレ。
「1ヶ月半の稽古では監修の柳家喬太郎師匠についていただきながら、師匠が演じてくださったビデオを見たり、iPotにも音源を入れたりして常に聞いていました。とにかく、役柄が新米落語家といえども、うそっぽくならないようにいっぱい練習をしました」
まさに落語漬けの日々を送っていたミムラだが、そのおかげ(?)で夢の中でも落語、目覚めた瞬間でも落語をブツブツと口にしていたそうで、「その時はさすがにびっくりしました」と笑いを誘った。

そして、三々亭香須美という役名にちなんで、記者から“最近、散々だと思った事件は?”と聞かれると「すごく眠かったときに料理をしていたら、生ゴミを捨てに出ようとして、間違って料理の方をゴミに出してしまったことですねぇ(苦笑)」と、落語の一節にもできそうなエピソードを明かし、「普段の生活でも起承転結がちゃんとあって、オチもついているものなんだなと思いました(笑)」とコメントした。

落語好きも、落語に今まであまり興味のなかった方でも楽しめる映画『落語娘』。ストーリーはもちろん、ミムラが四苦八苦しながら習得した落語にも注目したいところだ。

(Report:Naomi Kanno)