今、世界中で話題を呼んでいる作者不明の短編詩「犬の10戒」から生まれた、犬と少女とのかけがえのない絆を描いたこの春一番の感動作『犬と私の10の約束』。
27日、本作の完成披露試写会が都内劇場にて行われ、監督・出演者、そして主役犬のソックス(ゴールデン・レトリーバー)をはじめとする“犬10応援団”クイール(『クイール』)やマリ(『マリと子犬の物語』)、くぅ〜ちゃん(「アイフル」CM)、ジロ(『花田少年史』)など、話題の有名犬10匹が大集合した。

かわいいワンちゃんたちが見守る中、まず口を開いたのは主人公<あかり>を演じた田中麗奈。
「私自身も犬を飼っているんですが、本作に出演してから“私はいい飼い主かな?”と考えさせられました。本作に出てくる10戒の中でも、“あなたには学校もあるし友達もいます。でも、私にはあなたしかいません”という詩が一番心にグッときましたね。私は、(飼っている)犬たちとは一緒に寝る時間を大切にすることと、目を見て笑顔で話しかけることを心がけています」

その後、<あかり>の父を演じた豊川悦司が話そうとしたところで観客席で見守っていた犬たちが吠えだすと、豊川も負けじと「ワン、ワン、ワワワン! 本日はワワワン、ワン!」とあいさつ。これには田中も「えーっ!?」とびっくりし、会場も笑いの渦に包まれた。しかし、改めて「この脚本を読んだときはページをめくるごとに涙がにじんできて、最後のページでは思わず泣いてしまいました。それくらいすばらしいシナリオでした」と本作の魅力を語った。

また、もう一人の主役・ソックスたちのおかげで現場の雰囲気はいつも和やかだった、と話すのは<あかり>の幼なじみで後に恋人となる<進>役の加瀬亮。
「人と人とがやわらかく接していて、とても心地よかったんです」
また、役柄のためギターを猛練習したそうだが、「ギターはやったことがなかったんですよ。時間のない中、監督や先生の指導の下、何とか……といった感じです」と苦笑い。しかし、物語の中で印象的に流れる2曲は、短期間の練習だったにも関わらず完全に自分のものにしたようだ。

そんな出演者たちについて、本木克英監督は「“気が長いこと”と“犬好きなこと”がキャスティングの必須条件でした。これはごくありふれた平凡な家族の話ですが、それを豊川さんと田中さんにとても自然に演じていただけたなと思っています」とコメントを残すと、「演じているときに自然にすぅーと入っていけたんです。ストレートな作品なので感じたまま受けとってほしいし、皆さんにも犬と10の約束をしていただけたらと思います」と訴えかけた。

また、この日は主題歌「be with you.」を歌うBOAゲストとして登場。田中に花束を贈呈した。

本作は、犬を単なるペットではなく大切な家族の一員であることに改めて気づかせてくれる。そして、言葉は通じなくても、今までよりほんのちょっとだけ犬が何を伝えたいのか、その気持ちを理解することができるだろう。

(Report:Naomi Kanno)