モントリオール世界映画祭三冠を受賞した映画『長い散歩』の奥田瑛二監督が送る青春映画『風の外側』が公開初日を向かえ22日舞台挨拶がおこなわれた。
本作は、下関を舞台にオペラ歌手を夢見る少女と在日朝鮮人の青年との「愛」と「夢」を見つめた珠玉の恋物語。
また奥田瑛二の次女・安藤サクラが主人公の少女と出演し初の奥田親子作品として話題を呼んでいる。
舞台挨拶に登壇したのは、奥田瑛二監督、初の映画主演となった佐々木崇雄、奥田家次女の安藤サクラ、かたせ梨乃、綾戸智恵、久保京子といった豪華な面々が勢ぞろいした。
また登壇はしなかったものの、映画に主演し奥田監督の妻であり女優の安藤和津と長女であり本作の監督助手を務めた安藤桃子も客席から夫と娘の舞台挨拶を見つめていた。

奥田監督は初めの挨拶で「青春スターになれなかったぶん自分が監督として青春映画をとるぞと思っていました。社会の一コマを撮ったようなそんな作品にしたかったです。」と話した。
また映画の舞台がなぜ下関だったのか尋ねられると妻である安藤和津が下関の文化振興財団理事長であることについて触れ「関係者の方から1000万で下関を舞台にした映画を作ってくれと言われ始めは10分の観光映像を撮る予定でした。でも後々考えたらなんか悔しくなりまして・・・なんで自分が10分の観光映画なんて撮らなきゃいけないのかって、だから1000万だけ貰って後は自費で賄って長編映画にしちゃいました。案半年間という短い期間でスピーディーに仕上げましたが、「夢」というビタミンが足りないと思ったので「夢」をテーマに撮りました。」と映画に込めた思いもひとしおの様子だった。

本作で親子共演を果たした安藤サクラは満面の笑みを浮かべながら登壇し、映画の撮影について聞かれると「4日前にこの役が決まって、クランクインまでの4日間は親子だからってなめられたらいけないぞって気合を入れていました。でも、下関に移動してからは気持ちがうまく移行できたし、この映画のおかげで親子の壁が取れて良い関係になれました。」とどこかやり遂げたような晴れ晴れとした表情で語った。

本作で初の映画主演デビューとなった佐々木崇雄は、映画の撮影を振り返り「監督からは怒鳴られてばかりでした(笑)でも奥田映画学校のような雰囲気で学ぶことが沢山ありました。」と語った。

普段から奥田監督とは飲み友達だという綾戸知恵は奥田監督姿について「この人は自分が何を表現したいのか汲み取ってくれる。こういう風にしたいんじゃないの?って心を読み取ってくれるんです。ただのおっさんかと思っていたけどこの人監督です(笑)」とべた褒めした。

またかたせ梨乃も奥田の監督姿について「監督をしている時の奥田さんは凄い包容力があって抱かれたいって思っちゃいます。」とドッキリ発言をした。

以前から奥田映画に出たいと思っていたという久保京子は「奥田ワールドに身を置けて嬉しい。」と喜びのコメントをした。

最後に奥田監督から観客へ一言挨拶をし舞台挨拶を終了した。

(Report:大野恵理)