映画『子猫の涙』Rie fu×森岡利行監督トークイベント!
今年の東京国際映画祭にて主演の武田真治さんと広末涼子さんのレッドカーペットでも話題となり、「日本映画・ある視点」にて特別賞を受賞したお正月映画『子猫の涙』。
ちょうど40年前、メキシコオリンピックで日本最後のアマチュアボクシングメダリストになった森岡栄治の栄光と挫折、家族と共に歩んだ生涯を、その娘・治子の目線で綴った感動の実話物語が、1月26日(土)より全国公開する。
この度、その「子猫の涙」公開に先がけ、開催する試写会にて、本編上映前に主題歌を歌うRie fuが、新曲「Home」を初披露した。また、監督の森岡利行も登場しトークイベントに参加した。
—— この曲が出来上がるまでのことをまず教えていただけますか?
Rie fu:元の曲が、デビューして間もない3年前くらいに上田禎さんという方が作っていただいてあったんですけど、歌詞はこの映画を観て書き直したという感じなので、すごく制作期間が長くありつつ、本当にいろんな思いが詰まった一曲になってますね。
—— 詩を書く上で一番込めた思いというのはどこだったんでしょうか?
Rie fu:そうですねー、本当に映画の内容ともつながるかなと思ったんですけど、いろんなことがあっても最後に大きな愛というか、すごく純粋でストレートなメッセージを込めました。
—— Rie fuさんは11月21日に3rdアルバム「Tobira Album」をリリースなさったばかりですね。こちらのアルバムはどんな感じなんですか?
Rie fu:あのー実はこの4年間ロンドンに留学しながら音楽活動していてこのアルバムのリリースをきっかけに日本での活動を本格的に始めるということで、自分にとっても新しい扉が開かれたアルバムで、あとは曲の雰囲気とか全体的なテーマも「新しい扉を開きたい」とか「前向きにすすんでいきたい」という方に是非聞いてもらいたいな、というアルバムになっています。
——「Home」の方もやっぱり新しい気持ちというか、映画の主題歌もしかして初めてですか?
Rie fu:そうですね、以前洋画で一度あったんですけど、その映画をじっくり観てから作ったっていうのが初めてで…。あとは曲を誰かと共作してシングルとして出すのも初めてだったので、自分にはない発想がたくさんあって新鮮でした。
——いよいよ、来年1月映画が公開となりますが、監督、あらためて今のお気持ちいかがですか?
森岡:最初、まだRie fuさんの曲が決まってないときに仮のエンディングつけてゼロ号試写とか観たんですけど、曲がついてから全然自分が思ってた映画じゃない、素晴らしいものに変わってて、自分で言うのもなんですけどすごくチャーミングな感じになって、すごくよかったと思います。
——やっぱりあの、映画の世界と音楽の詩の世界がひとつになったって感じですかね。
森岡:そうですね。もともと、今回は出てないんですけど、うちの叔父の話で叔父によく“夜のクラブ活動”に連れて行ってもらったときにキャバレーの生バンドなんかで「上を向いて歩こう」を歌ってたんです。Rie fuさんの詞の中にも上向いて前向いていこう、みたいなのがあって、すごく象徴してるみたいでいいなって
いうのはあります。
Rie fu:そうですね、前向きだったり上を向いてという言葉っていうのは、やっぱり映画を拝見して、すごくいろんなことがあるけど、大きなメッセージとして歌詞に入れたので、なんかつながりがあるなあというか。
——映画ご覧になっていかがでしたか?
Rie fu:そうですね。最初観たときどうなっちゃうんだろうっていう…途中まで酒と女に溺れてる人っていう、どうなっちゃうんだろうっていう、良いところと悪いところが、あ、悪いところないですけど…
森岡:悪いところあるでしょう。捕まってますからねえ(笑)
(一同笑い)
Rie fu:そういう波乱がありつつも最後にはすごく笑顔であったかい気持ちになれる映画だなあと思いましたね。
——武田真治さん演じる、この映画の主人公である森岡栄治さんですけれども、実際どんな方でしたか?
森岡:すごく子どもっぽい人でしたね。イタズラとかすごい好きで、ジムの天井裏から選手に水鉄砲かけたり。お面とかも好きで、お面かぶって皆を驚かしたり…すごく可愛げのある人でしたね。
——映画にどのエピソード盛り込もうかという苦労もあったんじゃないですか。
森岡:全然もう書ききれないほどのエピソードがあって、最後葬式のときも、遺骨を治子と和則がもらうのに、治子がタッパーにお父さんの遺骨全部入れて大喧嘩してましたから(笑)そういうのとかもあったりして…
——小さい頃、結構影響受けたりしたんですか?
森岡:そうですね、ボクシングは叔父が網膜剥離で半分見えなくなったんで、ボクシングはするなって言われてたんで自分はそんなにはしてないんですけど。
——監督がこの映画で一番込めたかったことって何なんでしょうか。
森岡:まだご覧になってないからあれなんですけど…借金踏み倒すんですね。サラ金とか(笑)
かたや栄治の兄の方は首が回らなくなって自殺したりするんですけど、栄治の方は同じ兄弟でも、何で借金ぐらいで自殺せなあかんねんみたいなノリだったんですね。だからまあ生きてれば何とかなるよみたいな、そういうことが伝わればいいんじゃないかとは思ってます。
あと2月1日から11日まで赤坂のREDシアターというところで「路地裏の優しい猫」というこの基になった舞台をやりますので、こちらも是非お時間ありましたら来てください。
——それでは最後にRie fuさんと監督から、これから映画をご覧になる皆様に一言ずつお願いしたいと思います。
Rie fu:そうですね。本当に家族の絆とか純粋な愛情が音楽と映像と、目と耳で楽しんでいただけたら嬉しいと思います。楽しんでゆっくりご覧ください。
森岡:さっきも言いましたけど、本当にそんなに大きいテレビのスポットとかガンガン流れていっぱい宣伝できるような映画じゃないんですけど、口コミだけが頼りなんで、面白いと思った人はどんどん宣伝してもらって、ちょっと違うな、イマイチだなと思った人は口をつぐんでください(笑)宜しくお願いします!