吉田拓郎の名曲「結婚しようよ」からインスパイヤされ製作された映画『結婚しようよ』の完成披露試写会が都内で行われた。

本作は、いまどき珍しく家族全員で食事を取ることが習慣となっている“香取家”を中心に成長と共に家族から離れていく娘たち、年を重ねるごとに少しずつ変化を見せていく妻との間で揺れ動く父親の思いを描いた心揺さぶるピュアな物語。
吉田拓郎世代のR−45歳以上は観ると必ず泣く映画と言われ来年公開にも関わらず既に大きな話題を呼んでいる。

舞台挨拶に登壇したのは、一家の柱となる父親役を演じた三宅裕司、優しく家族を包む母を演じた真野響子、心優しい長女役の藤澤恵麻、ミュージシャンを目指す次女役のAYAKO(中ノ森BAND)、自他共に認める吉田拓郎ファンであり本作のメガホンを撮った佐々部清監督。会場にはR−45世代の観客が多くつめ掛け試写会では珍しく立ち見も出た。

始めの挨拶で佐々部監督は「試写会なのに立ち見で申し訳ないです。」と恐縮しながらも笑みを浮かべながら挨拶した。

主人公を演じた三宅裕司は「45歳以上は観たら必ず泣くそうです、また若い世代は観たら結婚したくなる映画。深刻化している少子化問題にかなり貢献してますよ。(笑)」と本作をアピールした。
また、本作のテーマとなっている “家族と食事をとる”という一家の習慣について聞かれると「この映画では食事をするということで家族の繋がりを確認しているのだと思います。うちにも “家族で年に一回は旅行に行こう”というルールがあるのですけど、そういう風に家族が結束することでもう一度家族を考え直す良い機会になっていると思います。」と実生活での父親としての思いを語った。

本作でウエディング姿を披露している藤澤は実生活で父親から結婚に口出しされたら?という質問に対して「父親から愛されていることを知っているからこそ苦しいですね。」と複雑な乙女心を明かした。

映画初出演を果たしたAYAKOは実生活では両親が離婚していることを打ち明けつつも「本当の家族みたいに食事が出来て良かった。」と笑顔で語った。父親役を演じた三宅は「そうだったのか(泣)」と撮影を振り返りしみじみとした表情を浮かべた。

最後に佐々部監督が「この映画を大ヒットさせることで拓郎さんには良い薬になると思うんです、拓郎さんにステージに帰ってきて貰いましょう!!」と病気で音楽活動休止中の吉田拓郎へエールを送ると共に観客へ協力を呼び掛けた。

舞台挨拶終了後には、本作の主題歌となっている「結婚しようよ」を三宅とAYAKOのギターの生演奏にのせ会場全体で大合唱した。観客には歌詞が載されたR-45と書かれたうちわが配られた。

最後にキャク席バックで写真撮影が行われ映画同様暖かい雰囲気に包まれたまま舞台挨拶は終了した。

(Report:大野恵理)