イギリスが舞台の英語時代劇に挑戦!映画『エンジェル』フランソワ・オゾン監督来日記者会見
発表する作品ごとに世界に衝撃を与え、魅了し続ける映画作家、フランソワ・オゾン監督最新作『エンジェル』の来日記者会見が9月10日、都内にて行なわれた。『スイミング・プール』以来3年ぶりの公式来日の喜びを語った。「こんにちは、この3年の間、僕は僕なりにたくさん仕事をしてきました。そして大事な新作『エンジェル』とともに、ここに戻ってきたことをうれしく思っています。」
英語で作品を作ろうと思った映画化の経緯について、「エリザベス・テイラー原作がありますが、女流作家マリー・コレリという実在の女性がモデルで、不思議な人でとても面白く、彼女に恋をした感じだったんです。フランスでできるかなと考えた時、フランス歴史、ロマンチックな女性作家は匹敵しない。ヴィクトリア朝、エドワード調を存分に生かすには無理やりフランス映画に置き換えるのではなく、イギリスの舞台背景でやるのが正しいのではないかと思ったのです。」と話す。
Q:オーディションで選んだヒロインのロモーラ・ガライの抜擢理由と一緒に仕事をした感想について
エンジェルを体現してくれる女優を捜すのは大変でした。16歳から40歳の開きを演じ分けられる女性を選ばなくてはいけないので、20代の女性でしたらメイクで年齢に対応できるということで、イギリスの20代前半の女性を探し、たくさんオーディションをしましたが、ロモーラ・ガライは特別でした。彼女はエキセントリックなところもありますし、いろんなキャラクターを持ち、とても美しい。チャーミングなところ、平凡なところなど、エンジェルの持つ長所、短所を全て持ち合わせています。シナリオを読んだ女優はエンジェルを怪物だ、変だとジャッジすることがありますが。ロモラはエンジェルに対してジャッジせず、すぐに把握してくれました。「エンジェルは女優なんだ、自分自身を演じている」と言うと、彼女はすぐにピンときたようです。格好の出会いでした。彼女とどのような感じで仕事ができたかというと、トレビアン!すばらしくうまくいきました。イギリスの俳優と仕事をするのは初めての経験でしたがイギリス人とフランス人の演技の取り組み方が違うんです。イギリスは伝統的に演劇の歴史がありますし、セリフを完璧に叩き込んで臨む傾向があります。そういう意味で私にオファーしてくれる段階までしてくれるプロフェッショナルの人達と仕事をするのは新鮮でした。
会場にはオゾン監督と仕事をしたい女優代表として夏木マリさんが登場し、花束を渡すなど、オゾン監督にアピールし、華を添えた。映画『エンジェル』は12月、日比谷シャンテ・シネ・新宿武蔵野館他にて全国ロードショー。
(Report:Miwako NIBE)