2006年のトロント国際映画祭で国際批評家賞を受賞した『大統領暗殺』。
当初『ブッシュ暗殺』という邦題で発表されたが、映倫で“審査不可能”とされ、邦題が変わるという経緯になり、このほど、監督のガブリエル・レンジが来日、日本在住のプロデューサー、タレント、俳優でもあるデーブ・スペクターとトークバトルが行われました。

監督:皆さんこんにちは。ガブリエル・レンジです。
大統領を殺してしまいました。今年はホワイトハウスからクリスマス・カードは来ないでしょう。

Q:日本は初めてだそうですが、いかがですか?
監督:以前から美味しい食べ物や、町並みに興味がありました。今日は台風ですが私が台風の多いウェールズ出身なので、私が連れてきてしまったのかもしれません。

Q:なぜ監督はこの題材で映画を撮ろうと思ったのですか?
監督:私が9.11の後N.Yに住むことになりメディアがブッシュとフセインを無理やり結びつけるような報道をしていたのを感じたんです。それを極端に表現したのがこの映画です。

Q:監督はこの映画を製作したことにより「死の脅迫」を受けたと伺いましたが。
監督:この映画を発表した当初、映画の中身を見ていない人たちからブッシュを殺すことを勧めている映画だと思われてしまったからなのです。
    脅迫状は製作したチャンネル4と私に送られてきましたが、スペルが間違えだらけで真剣に取り合いませんでした。
    この映画で現実がどれだけ簡単に歪曲できるかということを表したかったんです。

デーブ:お客さんたちよくこの台風の中来ましたね〜。
それでは『HERO』の上映を始めます!あっ違うか、私モンゴルから今帰ってきました。
これは訳してもらっても監督にはわかんないから(笑)
この映画、大統領殺されちゃって大変な目にあわされてましたね。安倍さんも大変だけどね〜

Q:デーブさんこの映画はどうでしたか?
デーブ:色々な側面があって考えさせられる映画ですね。
     シカゴは私の出身地なんですが、前から政治的に色々とあったところなんでよりリアリティーがありますね。
    大統領本人をそのまま出すのは勇気がいったでしょう?

監督:アメリカの大統領は役者から大統領になる人が多いので、今回は逆にしてみました(笑)

デーブ:でもこの映画、「24」のジャック・バウアーがいたらすぐに犯人見つけて、20分くらいで終わってたかもね〜(笑)
    だけどどうしてブッシュを暗殺するという設定なのかな?イギリスのブレアでもできたんじゃないの?

監督:ブレアだとすぐに話が終わってしまっておもしろくないから。
   私は9.11事件後に関することについて描きたかった訳で、ブレアは尻尾を振ってブッシュについて行っただけだしね。

デーブ:この映画チェイニー副大統領が大統領になってしまうけど、ある意味ホラー映画だよね。(笑)
     最近はアルカイダの勧誘ビデオとかすごく上手く作られていると聞くけど、今は技術が発達して何でも作れてしまうことの怖さがあるよね。映画をみてとてもそれを感じた。

監督:その通りですね。簡単な編集で何でもできてしまう。

デーブ:僕はテレビでいつも編集で切られちゃうんだよね(笑)
     真面目な映画だから東スポもサンジャポも取材に来てないだろうね〜活かしきれないからね(笑)