“逃げるのに理由なんていらない”
躁鬱病で幻聴や幻覚に悩まさせる大学生の花ちゃんと欝で入院中の標準語しか話さない名古屋人のなごやん。ある日二人は精神病院<プリズン>から逃亡し九州の様々な土地をおんぼろ車で旅をする事に!!旅をしながら心<脳>の葛藤と共に人々や社会との係わり合いと通じて、何かを感じ取っていく九州を舞台にした<ROCKな>ロードムービー。旅の持つ不思議な力が、2人の心に何かを伝える・・・
躁鬱病当を取り扱った本作は、現代日本に急増している“心の病”を、若い2人を通して明るく爽快に描いている。原作は、「沖で待つ」で芥川賞を受賞した絲山秋子の同名小説。

9月5日(水)都内にて、映画『逃亡くそたわけ—21才の夏』の完成披露試写会が行われ出演と監督が登場した。登壇したのは主演の花ちゃんを演じた美波、花ちゃんと一緒に旅をするもう一人の主人公なごやんを演じた吉沢悠、花ちゃんの幻想の中に登場する我修院達也、ガッツ石松、高良健吾、ベルナール・アッカ、といった個性的な俳優陣と人気ドラマを数多く手掛けてきた若手クリエーターの本橋圭太監督。

■舞台挨拶■

◆美波「この作品を撮影していた時にちょうど私は20歳になりました。映画に対しての気持ちがより大きなくなった作品です。監督やスタッフさんとたくさんの打ち合わせをし、まっさらなスッピンで真っ赤な口紅をつけたようなかっこ良い映画にしたいと思いました。パワフルではちゃめちゃ、そして爽快感のある映画だと思います。これからご覧になる皆さんの反応が気になりますね。」

◆吉沢悠「原作のある作品という事だったので映画の良さをプラス出来たら素晴らしいなと思って演じました。本作は、僕が今まで出演してきた作品の中で一番か二番目に台本がボロボロになった作品なのでとても思い入れが強いです。撮影から一年経って皆様の前でやっと上映出来てとても嬉しいです。」

◆我修院達也「こんばんはイエーイ!!今回は日本兵という設定だったので人間の役かと思ったら幻覚の中の人でした(笑)」

◆ガッツ石松「なぞの男役です。本作ではかっこ悪い裸をさらしています。」

◆高良健吾「今日はありがとうございます。楽しんでいって下さい。」

◆ベルナール・アッカ「撮影中は、美波さんに癒されて癒されていました。最後までごゆっくりお楽しみください。」

◆本橋圭太監督「撮影中も台風に襲われました。本作は九州を舞台にしたロードムービーです。撮影も九州を車で移動しながら行われました。その現場の雰囲気が映画の中にも出てきていると思います。僕は2人が劇中で乗っている車の後部座席に乗りながら実際に移動していました。とても乗り心地は悪かったです(笑)映画は、原作とはテイストが少し違いますが、コアな部分は同じです。」

九州を縦断して行くように行われたというロケ先でのお話は是非ムービーレポートでご覧ください。

本作は「第13回宮崎映画祭」のオープニング上映に続き韓国にて開催された「第11回プチョン国際ファンタスティック映画祭」上映作品としても正式な招待を受けている。また、2007年9月14日から24日まで福岡にて開催される「アジアフォーカス・福岡国際映画祭2007年」上映作品としても決定し、多くの映画祭関係者からの高い評価を受けている。

(Report:大野恵理)