新作『人が人を愛することのどうしようもなさ』の公開を記念して9月1日一夜限りの石井隆監督厳選過去4作品のオールナイト上映がシネマート新宿で開催された。
“名美シリーズ”傑作選オールナイトで上映される作品は、『天使のはらわた〜赤い教室』『死んでもいい』『ヌードの夜』『夜がまた来る』の4作品。
上映前には、ゲストとして石井隆監督、プロデューサーの成田尚哉さん、撮影の佐々木原保志さん、俳優の津田寛治さん。
成田さんは日活時代に石井監督の脚本家としてのデビュー作『天使のはらわた〜赤い教室』を初め、数多くの石井作品に携わった方で、当時、「赤い教室」の映画で、日活か東映かで迷っているときに石井監督の脚本家デビューするきっかけになった熱意から、今でも石井監督をサポートしてきている。
当時のことを成田さんは「石井さんの作品(漫画)が好きで、劇画を書く以前のイラストを書いている時代からのファンで、30年のお付き合いになりますね。それからも付き合いが続いているということは、感謝しています。」
監督は当時のことを「日活から映画化したいとオファーがあり、同時に東映からも映画化したいと話があり、編集者と相談して、日活は、原作のまま映画化したい、東映はタイトルとキャラクターを使って話は東映で考えるというので、交渉ごとが苦手だったので、出版社としては、東映にという形だったのですが、自分が学生時代に日活でバイトをしていて一度挫折して辞めた身分で、それが原作者、脚本家という形で、日活に戻るという形になってなんともいえない感激でしたね。」
長年、撮影監督として石井監督と共に作品を手がけている佐々木原さんは「監督のデビュー作からの付き合いですが、実は、それ以前に『沙耶のいる透視図』という和泉聖治監督、伊達一行さん原作の作品を石井さんが脚色されており、もう一緒に仕事することは無いなぁと思っていた矢先に監督デビュー作で一緒になるとは思っていませんdした、それからのお付き合いなので、いろいろ教わりましたね。」
また、熱狂的な石井監督のファンで俳優の津田寛治さんは、『ヌードの夜』を観て衝撃を受け、監督の家の電話番号を調べ、直接電話をして出演のオファーを頼み、現場まで足を運んだという熱意から、『GONIN』のディスコシーンにエキストラ出演を果たした秘話を披露。石井監督も「同じような人は何人かいたのを覚えていますが、津田さんのことははっきりとどのシーンに出ていたのか知っています」とコメント。
津田さんは「今日、時間があるのなら、客席から朝まで映画を見ていたいです」と熱く語った。
最新作『人が人を愛することのどうしようもなさ』は、津田さんにとっては、10数年待った出演作となりました。

(Report:Yasuhiro Togawa)