7月14日から9日間にわたって開催されましたSKIPシティ国際Dシネマ映画祭が最終日を迎えた。短編コンペティション部門、長編コンペティション部門各賞の表彰式、長編グランプリ作品の上映が行われた。
最初に短編部門の発表が行われ下記のような結果となった。受賞者のコメントと合わせて紹介します。

■短編部門(国内コンペティション)
●最優秀作品賞
『レッツゴー番長デッドオアアライブ完全版』(2006年/26分)
監督:鈴木 専(すずき・あつし)
川口市民賞: トロフィー、副賞(賞金100万円)の授与

鈴木監督「この映画祭期間中たくさんの監督と知り合いになることが出来て良かったです。ありがとうございます。審査員のみなさん、川口市民のみなさん本当にありがとうございます。賞金を頂けて大変嬉しいです。」

●奨励賞
『星屑夜曲』(2006年/59分)
監督:外山文治(そとやま・ぶんじ)
川口市民賞: トロフィー、副賞(賞金50万円)の授与

外山監督「びっくりしています。映画を作ることに夢がたくさんつまっていると思います。昨年はこの会場に一観客として来ていました。そして今年はこの場に立てて夢のようです。楽しいだけの映画ではありませんが、選出してくださりありがとうございます。」

●奨励賞
『あかね雲—初恋—』(2007年/26分)
監督:あかね丸 (阿曽多寿子、川口鉄也)
川口市民賞: トロフィー、副賞(賞金50万円)の授与

阿曽監督「まさか受賞できるとは思ってもいなかったので何を言えば良いのか考えていませんでした。審査員の方々・作品を見てくださった方々に深くお礼を申しあげます。この作品は2年ほど前に制作したもので、当時は徹夜をしたりと大変でしたが楽しみながら作れた作品でもあります。それをみなさまにも喜んで見ていただけて感慨深い思いで一杯です。」
川口監督「審査員の方々、並びに9日間映画祭を運営してくださった方々ありがとうございます。作品の思いが伝わるように作ったのですが、それが皆様にちゃんと伝われば良かったです。何か面白いことを言おうと思っていたのですが、緊張してしまい言えませんね。本当にありがとうございました。」

短編部門総評(審査委員長:高嶋政伸)
奨励賞を受賞した『星屑夜曲』・『あかね雲—初恋—』に関しては、見ていて監督たちが作ってきた過程が作品に流れ込んでいる非常に密度の高い作品で感動しました。次作も見てみたいなという思いで選出させていただきました。最優秀作品賞に輝いた『レッツゴー番長デッドオアアライブ完全版』は、鈴木監督の絵の力と意欲によってありきたりな世界を壊してくれたと思います。力のある独創的な作品で、出会えてよかったです。
短編部門のどの作品からもクリエーターさんの情熱と意欲といった非常に熱い思いが伝わってきました。クリエーターのみなさんお疲れさまでした。そしてありがとうございます。

続いて長編部門の発表が行われました。

■長編部門(国際コンペティション)
●最優秀作品賞 / ソニーDシネマアワード
『うつろいの季節(とき)』 (2006年/トルコ・フランス/97分)
監督:ヌーリ・ビルゲ・ジェイラン
ソニーDシネマアワード: トロフィー、副賞(賞金1,000万円)の授与

出演俳優・メフメット・エルユルマズ氏「こんにちは、今回日本へ初来日となったのですがとても嬉しかったです。監督にはしっかりと伝えたいと思います。またトルコを代表してお礼を申しあげたいと思います。」

●新人監督賞 / ソニーDシネマアワード
ネナド・ジューリッチ監督(『空からの贈りもの』/2006年/ボスニア・ヘルツェゴビナ/85分)
ソニーDシネマアワード: トロフィー、副賞(賞金200万円)の授与
★劇場公開用長編映画制作の経験が3本以下の監督が対象

プロデューサーのアルミル・シャヒノビッチ氏「心から感謝しています。この映画祭はデジタル映画を作っている者にとって大変意義のあるものだと思っています。監督にはちゃんとトロフィーは渡しますが、私がプロデューサーなので賞金は私が貰っておきます。(笑)」

●脚本賞 / ソニーDシネマアワード
『月の子供たち』 (2006年/ドイツ/87分)
監督:マヌエラ・シュタッケ
ソニーDシネマアワード: トロフィー、副賞(賞金100万円)の授与

マヌエラ・シュタッケ監督「私は脚本を担当してくれたカトリン・ミルハーンの代理として受け取ります。この脚本は彼女の卒業制作の作品なので彼女は大変喜んでくれると思います。SKIPシティの方々に感謝したいと思います。ありがとうございます。」

●技術賞 / ソニーDシネマアワード
『スカイマスター、空飛ぶ一家のおとぎ話』(2006年/デンマーク/83分)
監督:ミカエル・ウィケ、スティーン・ラスムセン
ソニーDシネマアワード: トロフィー、副賞(賞金100万円)の授与
★デジタルシネマならではの撮影手法、編集方法、カラーマネジメント手法、合成技術等が優れている作品に授与する。

ミカエル・ウィケ監督「初めての日本はとても楽しかったです。スタッフの方々に感謝を申しあげたいです。HDでの撮影は初めてだったのですが、CGIの新たな可能性を示すことができました。」
スティーン・ラスムセン監督「日本に滞在できた6日間とても素晴らしかったです。また日本に戻ってきて川口の皆さんの映画が撮りたいです。内容は、デンマークのコックが日本にやって来て日本の料理人と寿司対決をする話です。絶対に日本に戻ってきます。」

●審査員特別賞 / ソニーDシネマアワード
『ハートラインズ』 (2006年/南アフリカ/96分)
監督:アンガス・ギブソン
ソニーDシネマアワード: トロフィー、副賞(賞金100万円)の授与

アンガス・ギブソン監督「審査員の皆さんにお礼を申しあげたいと思います。私の口からは喜びの言葉しか出てきません。映画祭期間中には色々な作品を見せていただきました。南アフリカの情勢を描いた作品が日本で受け入れられてとても嬉しいです。」

長編部門総評(審査委員長:メイベル・チャン)
今年度は世界のさまざまな文化を題材に描かれていました。その中で特に目立っていた『うつろいの季節(とき)』は満場一致で最優秀作品賞に選びました。非常に美しい詩的な作品でした。本当に9日間楽しみまた学ぶことも出来ました。心からお礼を申しあげたいと思います。

以上

(Report : 大野恵理)