29日(金)からの全米公開を控え、マイケル・ムーア監督最新作『シッコ』のテーマである医療保険体制の改善を訴える集会がロサンゼルス市庁舎前にて現地時間26日(火)11:00<日本時間27日(水)3:00>から開催され、ムーア監督はロサンゼルス市長・アントニオ R.ビヤライゴーサ氏や映画の出演者たちと共に出席、演説を行いました。
アメリカ国民の「共有しない、助け合わない」メンタリティーを強く非難し、国民を救う存在であるはずの政府の対応にも強い不満の意を表明。
その後行われたL.A.プレミアで観客は「『シッコ』は素晴らしい!
ムーアのこの行動に賛同する」と口を揃えた。
レッドカーペット上にて、ムーア監督が日本への質問に答えましたのでお伝えいたします。

<マイケル・ムーアの演説@L.A.市庁舎前>
 市長のおっしゃった通り健康保険は特権ではなくて基本的な人権なんだ。
トップ25の先進国の中で唯一我々には公的な保険制度がない。
他の24カ国では病気になったらお金を払わなくても治して貰う人権が認められているのに、アメリカだけがそうではなく、個々でこの問題に対応しなくてはならない。彼らが間違っていて我々が正しいのか?
そうは思わないよ!<中略>
 医者が患者を診察する際、その前に500マイルも離れたオフィスに座っている人間に「診断して良いか」と許可を求めるのではなく、その場で診察するべきなんだ。そんなのクレイジーだよ!意味がわからない!!
目の前に治せる患者がいるのに治療を施す前に“その場に居ない医者ではない”人間に許可を求めなくてはならないなんて。医者と患者の間に中間業者が介在する余地なんて必要ない。それは保険会社のことで、そんなモノは必要ない!<中略>
 私はシュワルツェネッガー知事にこう言って欲しい。
「私が若い頃過ごしたオーストリアと同じ様なユニバーサルなヘルスケアをカリフォルニア州に導入する!」と。それだけだよ。彼のあの健康的な体を作ったオーストリアの保険制度をね!<中略>
 ただし僕らはこの保険制度に関して政府が介入するのを拒んではならない。
政府は素晴らしい事を過去にしてきているのだから。昔は空港からバグダットの首都へ道を引くよりも短い時間でナチを倒したじゃないか。
それが政府のする事だったんだ。本当のリーダーによって導かれていた時にはね。

<マイケル・ムーアのコメント@ L.A.プレミア>
 日本人のメンタリティーには共有し、助けあう心がある。
それは非常に大切にすべきことだし、アメリカ人が見習うべきことだと思うよ。なぜなら、それに基づいて保険制度が出来るのだから。

(Report:Yasuhiro Togawa)