『グローリー』『ラストサムライ』とスケールの大きな作品を手がけてきたエドワード・ズウィック監督が4月4日(水)4年ぶりに待望の新作『ブラッド・ダイヤモンド』のプロモーションのため来日しました。紛争ダイヤモンドを題材とした今作品はアカデミー賞5部門ノミネートを果たしました。そして、出演の『ビューティフル・マインド』でアカデミー賞助演女優賞に輝いたジェニファー・コネリーと今作品でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたジャイモン・フンスーも監督と共に来日を果たしました。

質疑応答

Q 今作品はダイヤモンドを題材としていますが、この映画に携わって以降ダイヤモンドに対する思いは変りましたか?

A ジェニファー・コネリー「この映画で紛争について学びダイヤモンドへ対する気持ちは変りました。私はより賢い消費者にならないといけないと感じました。それは難しいことではなく、ちゃんと紛争ダイヤでは無いと認証された物を買うという簡単なことです。貴金属やダイヤモンドを買う時は気をつけていきたいです。」
A ジャイモン・フンスー「もちろん気持ちは変りました。元から紛争ダイヤについては知っていましたがさらに知識が増えました。特に紛争を取り巻く問題である子供の兵士、誘拐、虐待問題など。このようなことを知るきっかけをくれた監督に感謝したいです。」
A エドワード・ズウィック監督「ダイヤモンドに関する紛争は今も続いていています。ダイヤモンドという資源が正しいルートで回ってないことでアフリカの生活水準はかなり低いです。この作品は1999年の問題を扱っていますが、今でもまだ問題はあると考えています。」

Q 撮影中危険なことやトラブルは起こりましたか?

A エドワード・ズウィック監督「我々の撮影地はモザンビークという世界で一番貧しいといっていいような20年も紛争の続いた場所でした。ここ8・9年は平和が続いていたのでとくに撮影中問題はありませんでしたが、この撮影によって国には5000万ドル位の経済効果を与えることができました。」

Q 今作品のキャスティングのいきさつ、また監督の印象は?

A エドワード・ズウィック監督「ここにいる2人はハリウッドを代表する俳優でレオナルド・ディカプリオが3番目です。私は真剣にリサーチし自分から仕事に一生懸命取り組んでくれる人を探し必要としていました。ジェニファーに関しては、本当のジャナーリストをしっかりと研究し演じてくれました。ジャイモンは、アフリカを舞台にした作品でアフリカ人がアフリカ人役を演じるという初めての試みだった今作品で誰にでも分かりやすい家族を愛する気持ちを素晴らしい演技で表現してくれた。そしてレオナルド・ディカプリオについて彼の世界の環境や情勢に対する思いはとても素晴らしいです。今作品で彼は完全に自分を変身させました。どんな魔法を使ったのか分かりませんが役者としての彼の素晴らしさが現れています。」
A ジェニファー・コネリー「彼の過去の作品を観るとスケールの大きな作品を描くのが上手く今作品も同様に素晴らしかったです。彼はとても知識が豊富で世間に対する懸念や考えがあります。そしてそこからユニークな作品を作り出しているのだとおもいます。」
A ジャイモン・フンスー「彼は素晴らしいストーリーテラーです。脚本を4・5回読んで彼に電話しました。アフリカに住んでいた、あるいはアフリカ出身の人に助けられながら脚本を仕上げたのかと思うほど正確に描かれていたからです。私の出身地の物語であるこの作品を彼なら正確に伝えてくれると思ったから私は気が楽でした。」

(大野恵理)